都立高校の内申点の計算方法|換算内申から調査書点300点まで

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『内申点を300点に直すって、どういう計算?』と、都立の過去問を解きながら手が止まった人も多いはずです。換算内申、調査書点、総合得点と、数字がいくつも出てきてややこしいですよね。

結論から言うと、都立高校の内申点の計算は「換算内申を出す、300点に直す、学力検査と合わせる」の順で進めれば迷いません。7:3の学校なら、調査書点は「換算内申×300÷65」です。

この記事では、通知表から総合得点までを1枚の計算シートでたどり、内申1点が当日点の何点分になるかまで計算します。

目次

都立高校の内申点の計算は4つの段階で進む

先に結論

通知表の評定、換算内申、調査書点、総合得点の4段階です。どの段階の数字の話をしているかを意識すると、計算で迷わなくなります。

ここで使うのは、東京都の令和9年度入試の要綱にある数え方です。学力検査が5教科で、傾斜配点がなく、比率7:3の学校を基本にして説明しますね。

都立高校の内申点を通知表から総合得点まで4段階で計算する流れの図解
段階出す数字満点(5教科・7:3の場合)
1中3の9教科の評定各教科5
2換算内申(学力検査をしない教科を2倍)65点
3調査書点300点
4総合得点(学力検査+調査書点+スピーキングテスト)1020点

使う評定は、中3の1学期・2学期の成績を十分参考にした、12月31日現在のものです。中1・中2の評定は一般入試の調査書点には入りません。

都立の入試のしくみ全体は都立高校の内申点のしくみで解説しています。ここでは計算に集中しますね。

計算の前に用意しておくもの

いきなり計算を始めると、途中で「この学校は何教科だっけ?」と止まりがちです。先に次のものをそろえておくとスムーズですよ。

計算の前にそろえるもの
  • 中3の通知表(まだ無ければ中2の学年末で練習)
  • 志望校の学力検査の教科数(5教科か3教科か)
  • 志望校の比率(7:3か、6:4か、10:0も使うか)
  • 傾斜配点があるかどうか
  • 面接・作文・実技検査があるかどうか

志望校の情報は、東京都教育委員会の令和9年度入学者選抜実施方法一覧(別表4)に載っています。

通知表から調査書点300点までの計算シート

先に結論

換算内申は「主要5教科の合計+実技4教科の合計×2」。調査書点は「換算内申×300÷65」。この2行を順番に計算すれば、300点満点の内申点が出せます。

手を動かしながら読むのが一番です。ノートと電卓を用意して、自分の通知表で一緒に計算してみてください。

段階1と2:通知表から換算内申を出す

例えば、9教科の評定が次のような場合で計算します。架空の評定です。

教科評定何倍するか点数
国語31倍3
数学41倍4
英語41倍4
理科31倍3
社会31倍3
音楽42倍8
美術32倍6
保健体育42倍8
技術家庭42倍8
合計(換算内申)47

主要5教科は17、実技4教科は15で、2倍して30です。17+30=47が換算内申になります。

検算は「素内申+実技4教科の合計」です。素内申は32なので、32+15=47で一致しますね。

換算内申の数え方をもっと練習したい人は都立高校の換算内申の早見表も使ってみてください。

段階3:換算内申を調査書点300点に直す

ここが、内申点を300点に直す計算です。要綱では、調査書点は「評定の合計×調査書点の満点÷評定の満点」で求めると示されています。

7:3の学校では調査書点の満点が300点、5教科受検の評定の満点が65点です。なので計算は、換算内申×300÷65になります。

さきほどの例なら、47×300÷65=約216.9点です。

換算内申計算調査書点(300点満点)
26(オール2)26×300÷65120
39(オール3)39×300÷65180
4545×300÷65約207.7
4747×300÷65約216.9
52(オール4)52×300÷65240
5858×300÷65約267.7
65(オール5)65×300÷65300

素内申が同じでも調査書点は変わる

素内申(9教科をそのまま足した数)が同じ32でも、実技4教科の評定しだいで調査書点はかなり変わります。3つの組み合わせで比べてみますね。

組み合わせ換算内申調査書点(300点満点)
主要5教科20・実技4教科1220+24=44約203.1
主要5教科17・実技4教科1517+30=47約216.9
主要5教科14・実技4教科1814+36=50約230.8

一番上と一番下では、調査書点で約27.7点の差です。学力検査の素点に直すと、約20点分にもなります。

割り切れない時の小数をどう扱うか(切り捨て・四捨五入など)は、この記事では確かめられていません。正確な扱いは要綱で確かめてください。

学力検査が3教科の学校

評定の満点は75点です。調査書点が300点満点なら、計算は「評定の合計×300÷75」、つまり評定の合計×4になります。例えば合計が53なら、53×4=212点です。

学力検査と合わせて総合得点を出す

先に結論

学力検査の素点(500点満点)は1.4倍して700点満点に直します。これに調査書点とスピーキングテストの点数を足すと、1020点満点の総合得点になります。

調査書点が出たら、最後の段階です。要綱の例では、学力検査500点を700点に換算しています。

700÷500=1.4なので、素点を1.4倍すればいいんです。

段階4:総合得点の計算シート

学力検査の点数も架空のもので計算してみます。

総合得点の計算
  1. 学力検査5教科の素点を足す(例 70+62+68+58+66=324点)
  2. 素点を1.4倍する(324×1.4=453.6点)
  3. 調査書点を足す(453.6+216.9=670.5点)
  4. スピーキングテストの点数を足す(Bなら16点で、合計686.5点)

スピーキングテスト(ESAT-J)の点数は、A=20点、B=16点、C=12点、D=8点、E=4点、F=0点です。原則として、英語の学力検査をする都立高校で使われます。

面接や作文、実技検査がある学校では、その点数をさらに足したものが総合成績になります。要綱の例では、面接200点・作文100点・実技200点を加えて1520点満点になる形が示されています。

ただ、これはあくまで例です。面接などの有無や配点は学校ごとなので、実施方法一覧(別表4)で確かめましょう。

目標点から学力検査の点数を逆算する

計算シートは、逆向きにも使えます。自分で決めた目標の総合得点から、学力検査で何点必要かを出してみましょう。

例えば、目標を700点とします。調査書点が約216.9点、スピーキングテストがBの16点なら、学力検査の得点で必要なのは700−216.9−16=467.1点です。

これを1.4で割ると、素点では約333.6点、つまり5教科で334点くらいが目安になります。目標点は合格の基準ではなく、自分で決める数字だと考えてくださいね。

傾斜配点がある学校は計算が変わる

傾斜配点をする学校では、傾斜配点をしたあとの得点が学力検査の得点になります。1.4倍の計算は「5教科・傾斜配点なし」の場合の目安と考えてください。

1枚にまとめた計算シート

ここまでを1枚にまとめると、次のようになります。空欄に自分の数字を入れて使ってみてください。

自分の評定と点数で都立高校の計算シートを埋めるイメージ写真
欄計算例自分
A 主要5教科の評定の合計足す17
B 実技4教科の評定の合計足す15
C 換算内申A+B×247
D 調査書点C×300÷65約216.9
E 学力検査の素点5教科を足す324
F 学力検査の得点E×1.4453.6
G スピーキングテストAからFを点数に16
総合得点D+F+G約686.5

内申1点は当日点の何点分になる?

先に結論

7:3・5教科・傾斜配点なしの学校では、換算内申1点は調査書点で約4.6点、学力検査の素点に直すと約3.3点分です。実技4教科の評定が1上がると、素点で約6.6点分になります。

『内申を1上げるのと、当日点を1点上げるの、どっちが大きいの?』という疑問、気になりますよね。計算で比べてみましょう。

換算内申1点と実技の評定1つ分が、学力検査の素点で何点分になるかを比べた図解

換算内申1点は、300÷65で約4.62点の調査書点です。学力検査の素点1点は、1.4倍されて1.4点になります。

なので、換算内申1点は、4.62÷1.4で約3.3点の素点と同じ重さです。

変化換算内申調査書点学力検査の素点に直すと
主要5教科の評定が1上がるプラス1約4.6点約3.3点分
実技4教科の評定が1上がるプラス2約9.2点約6.6点分
学力検査の素点が1点上がる1点(得点では1.4点)

実技4教科の評定が1上がるのは、当日の学力検査で約6.6点多く取るのと同じくらいの重さです。こう見ると、実技4教科も大事にしたくなりますよね。

ただし、これは比率7:3・5教科・傾斜配点なしの場合の計算です。比率や傾斜配点が違う学校では、数字も変わります。

主要5教科は「2回効く」

表だけを見ると、実技4教科の方がお得に見えますよね。でも主要5教科には、もう1つの効き方があります。

主要5教科の力がつくと、評定が上がるだけでなく、学力検査の点数も上がりやすくなります。つまり、調査書点と学力検査の両方に効くんです。

実技4教科は調査書点で大きく効き、主要5教科は両方にじわじわ効く。どちらか片方に偏らず、9教科を見渡した計画にしておきましょう。

比率6:4の場合の計算

芸術・体育に関する学科などは、原則として6:4です。学力検査と調査書点の合計は1000点なので、学力検査600点、調査書点400点になります。

計算は、調査書点が換算内申×400÷65、学力検査が素点×1.2(600÷500)です。さきほどの例なら、47×400÷65で約289.2点、324×1.2で388.8点になります。

合わせると約678.0点です。

7:3の時(約670.5点)と比べると、同じ評定と素点でも合計が変わります。調査書点の重みが大きくなるぶん、内申が高めの人ほど6:4で有利に働きやすいんです。

7:3と10:0の高い方を使う学校の計算

令和9年度は、7:3と10:0の両方で計算して、高い方をその人の得点にする学校があります。10:0は学力検査だけで1000点にする計算で、素点を2倍します。

スピーキングテストを除いて、2つの例で比べてみますね。

例7:3で計算10:0で計算使われる方
換算内申47・素点324453.6+216.9=670.5324×2=6487:3
換算内申26・素点400560+120=680400×2=80010:0

内申が高めの人は7:3の方が、学力検査の点数が内申に比べて高い人は10:0の方が高くなりやすいことが分かります。

どの学校がこの方式かは、実施方法一覧(別表4)の注記で確かめられます。内申が足りない時の考え方は内申点が足りない時の逆転も参考にしてみてください。

計算サイトで確かめる時の注意は内申点計算サイトの使い方にまとめています。

よくある相談:都立の内申点の計算で迷うところ

先に結論

計算で迷う時は「今どの段階の数字か」を確かめると解決します。素内申、換算内申、調査書点を取り違えないことが一番のコツです。

知恵袋などで多い相談から、計算に関わるものを3つ取り上げます。

「内申28で換算内申40。どう計算したら300点中になるの?」

素内申28、換算内申40の場合ですね。300点満点に直す時に使うのは、換算内申の方です。

計算は40×300÷65で、約184.6点になります。素内申の28を使って計算しないように気をつけましょう。

友達同士だと、こんなやり取りになりがちです。

「内申28って、300点だと何点になるの?」
「300点に直す時は、28じゃなくて換算の40で計算するんだよ」

もし28で計算すると、28×300÷65で約129.2点になり、50点以上も低く出てしまいます。どの数字を使うかで、結果が大きく変わるんですね。

「5教科とか4教科って、どの教科のこと?」

「都立の内申の計算で、5教科と4教科って書いてあるけど何のこと?」
「5教科は学力検査がある教科で、4教科はない方だよ」

こんな会話の答えを、もう少していねいに説明しますね。「5教科」は学力検査をする国語・数学・英語・理科・社会のことです。「4教科」は学力検査をしない音楽・美術・保健体育・技術家庭で、実技4教科とも呼ばれます。

学力検査をしない4教科は、評定を2倍にして数えます。学力検査が3教科の学校では、2倍にする教科が6つになるので注意してくださいね。

「私立みたいに、検定や委員会で都立の内申点は上がる?」

結論から言うと、一般入試の調査書点は教科の評定から計算します。検定や委員会活動が点数として足されるしくみはありません。

検定の取得や委員会活動は、調査書の「諸活動の記録」に書かれることがあります。ただ、それが調査書点の計算に入るわけではないんです。

計算したら次にやること

先に結論

自分の総合得点の見込みが出たら、学力検査と評定のどちらで何点上乗せするかを決めます。数字を目標に変えるのが、計算のいちばんの使い道です。

計算シートを埋めると、自分の今の位置が数字で分かります。『じゃあ何をすればいい?』を決めるのはここからです。

計算のあとに決めること
  • 総合得点の見込みと、志望校で目指したい点数の差
  • その差を学力検査で埋めるか、評定で埋めるか
  • 評定なら、どの教科のどの観点を見直すか
  • 学力検査なら、どの教科で何点上げるか
  • 2学期末までにやることと、1月以降にやること

例えば、総合得点の見込みがあと20点足りないとします。換算内申で埋めるなら、20÷4.6で約4〜5点分です。

学力検査で埋めるなら、20÷1.4で素点約14〜15点分になります。

どちらか片方ではなく「実技で1つ評定を上げて、学力検査で8点上乗せ」のように組み合わせるのが現実的です。

計算し直すタイミング

評定は学期ごとに変わるので、計算も1回で終わりではありません。次のタイミングで計算し直すと、目標とのずれに早く気づけます。

タイミング計算する目的
中2の学年末計算の練習と、中3で見直す教科を決める
中3の1学期末十分参考にされる成績の1つ目で見込みを出す
中3の2学期の途中学力検査の模試の結果と合わせて目標を調整する
中3の2学期末調査書に書かれる評定に近い数字で最終確認する

令和9年度入試では、調査書の内容は1月15日までに保護者に通知されます。最終的な数字は、その通知で確かめましょう。

一人でやるか、人の手を借りるか

計算はできても、9教科の評定と学力検査の勉強を同時に進めるのは大変です。人の手が役立つのは、例えばこんな場面です。

  • つまずいた単元まで戻って学び直したい時
  • 定期テストの範囲に合わせた計画を立てたい時
  • 提出物の管理を一緒に確かめてほしい時
  • 過去問の分からない所をすぐ質問したい時
  • 毎日の勉強の習慣を作りたい時

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よくある質問

都立高校の内申点の計算に、中2の成績は入りますか?

一般入試の調査書点には入りません。中3の評定を使い、1学期と2学期の成績が十分参考にされます。

内申点の計算で、300点に直す時の小数はどうなりますか?

この記事では端数の扱いを確かめられていません。東京都の要綱で、調査書点の算出方法を確かめてください。

スピーキングテストを受けていないと計算はどうなりますか?

要綱では、決められた理由で受けられなかった人には、英語の学力検査の得点が近い受検者の結果から仮の結果を出して加点するしくみがあります。それ以外の不受験者は加点されません。

都立内申の計算は、推薦入試でも同じですか?

いいえ。推薦で評定を使う場合は、9教科の評定をそのまま使い(45点満点)、特定の教科に重みをかけません。調査書点の満点は学校ごとです。

内申点の計算サイトを使っても大丈夫ですか?

便利ですが、どの年度・どの比率のルールで計算しているかはサイトごとに違います。一度この記事の計算シートで自分の手で計算し、答えが合うかを確かめてから使うと安心です。詳しくは内申点計算サイトの使い方の記事も参考にしてください。

まとめ

この記事の要点
  • 都立高校の内申点の計算は、評定、換算内申、調査書点、総合得点の4段階
  • 調査書点は「換算内申×300÷65」(7:3・5教科受検の場合)
  • 学力検査の素点は1.4倍して700点満点に直す
  • 換算内申1点は素点約3.3点分、実技の評定1つ分は約6.6点分
  • 6:4や、7:3と10:0の高い方を使う学校では計算が変わる
内申ドットコム

内申ドットコム 編集部

内申点のしくみや計算方法、都道府県ごとの高校入試での使われ方、内申点を上げるための考え方を、公式の公開情報をもとに整理している情報サイトです。 公式サイト

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