通知表と内申点の違い|同じ5段階でも別物になる理由

通知表と内申点の違いを、誰が作る・いつの成績か・何に使う・満点の4項目で解説する記事のアイキャッチ

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『通知表の成績が、そのまま内申点なんじゃないの?』と思っている中学生や保護者の方は多いはずです。どちらも1から5の数字なので、同じものに見えますよね。

結論から言うと、通知表と内申点は、もとになる評定はつながっていますが、作る目的も、使う時期も、満点も違います。だから、同じ5段階でも別物として考えたほうが分かりやすいんです。

この記事を読めば、通知表と内申点の違いを4つの項目で比べて、どこが同じでどこが違うのかが分かります。

目次

通知表と内申点の違いは「同じ5段階でも役目が違う」こと

先に結論

通知表は、学校から生徒と家庭へ学習の様子を知らせるものです。内申点は、中学校が高校へ送る調査書の評定を、入試用に数えた数字の通称です。もとの評定はつながっていても、役目が違います。

まずは、通知表と内申点の違いを4つの項目で並べてみます。ここをつかんでおくと、あとの説明がすっと入ってきますよ。

通知表と内申点の違いを、誰が作る・いつの成績か・何に使う・満点の4項目で比べた図解
比べる項目通知表内申点
誰が作る・誰に届く中学校が作り、生徒と家庭に渡す中学校が調査書に評定を書き、高校へ送る。その評定を数えた数字の呼び名
いつの成績か学期ごと・学年ごと地域の決まりによる。中3は2学期までの成績を使う地域が多い
何に使う学習の様子を知り、次に生かす高校入試で、学力検査の点数などと合わせて合否の資料にする
満点教科ごとに5段階地域と入試で違う(45点、65点、90点、450点など)

一番大きな違いは、通知表は「今の学習の様子を知るもの」、内申点は「入試のために数えるもの」だということです。

例えば、家でこんな会話になることがあります。

「通知表、オール4だったよ。内申点は36だね」「でも、うちの地域の入試だと数え方が違うみたいだよ」

どちらの言い分も間違いではありません。通知表の評定を足した数と、入試で使う内申点の数え方が、地域によって違うだけなんです。

内申点は通称です

「内申点」は公式の言葉ではありません。東京都の要綱などの公式資料では、「調査書」「評定」「調査書点」という言葉が使われています。内申点そのものの意味は内申点とは?でくわしく紹介しています。

違い1:誰が作り、何に使うのか

先に結論

通知表は家庭に向けたもの、調査書は高校に向けたものです。調査書に何を書くかは都道府県ごとに決まっていて、通知表に載っている情報がすべて入試に使われるわけではありません。

通知表は、学期の終わりにもらって、家の人と一緒に見ることが多いですよね。学習の様子を知って、次の学期にどうするかを考えるためのものです。

一方、高校受験で使われるのは、中学校が作る「調査書」です。中学校の校長は、高校に進学する生徒の調査書を進学先に送ることになっています。

調査書のもとになる記録

例えば東京都の要綱では、調査書は原則として生徒指導要録の書き方に従って作るとされています。生徒指導要録は、学校が学年ごとに成績などを記録しておく書類です。

つまり、通知表と調査書は別の書類ですが、どちらも学校の評価がもとになっています。だから、通知表の評定から内申点のおおよその見込みを出せるんです。

調査書そのものについては、内申書とは?で説明しています。

通知表には載っていても、内申点に入らないもの

通知表には、評定のほかにもいろいろな欄がありますよね。『先生のコメントも高校に伝わるの?』と気になる人もいるはずです。

ただ、通知表の欄のすべてが内申点に入るわけではありません。

通知表の欄の例内申点との関係
各教科の評定内申点のもとになる
観点別の評価(ABC)評定を決める材料。入試によっては点数にして使うこともある
先生のコメント(所見)内申点の計算には入らない
欠席日数など調査書に欄があるかは地域で違う

例えば令和9年度の都立高校入試では、調査書の記載事項に「出欠の記録」の欄がありません。一方、静岡県の調査書には欠席日数などの欄があり、選抜の段階によっては面接と合わせて資料になります。

よくある勘違い

「通知表に書かれたことは、全部高校に伝わる」と思ってしまうことです。調査書に何を書くかは地域で違います。気になる時は、自分の地域の調査書に何が書かれるかを先生に確かめてみてください。

違い2:いつの成績が使われるのか

先に結論

通知表は学期ごとに出ますが、内申点は「どの学年の、どの時期の評定を使うか」が地域で決まっています。中3は学年末を待たずに、2学期までの成績を使う地域が多いです。

ここが、通知表と内申点がずれやすいところです。『3学期の通知表で上がったのに、内申点には入らないの?』という声もよく聞きます。

令和9年度入試の公式資料では、中3の評定の時期について次のように書かれています。

地域(令和9年度)中3の評定の時期
東京都1学期と2学期の成績を十分参考にする(12月31日現在)
神奈川県2学期までの評価・評定
埼玉県1学期と2学期の成績で判定する
静岡県2学期末(12月末)までの学習状況

「3学期の期末テスト、すごくがんばったのに」「入試の書類は、12月末の時点の成績で作られるんだって」

中3の3学期の通知表は、入試の書類ができたあとに出ることになります。だから、中3の3学期の評定は、多くの場合その年の内申点には入らないんです。

使う学年も地域で違う

使う学年も、地域ごとに違います。令和9年度入試では、東京都・静岡県・愛知県の一般入試は中3、神奈川県は中2と中3、埼玉県・千葉県・大阪府は中1から中3の評定を使います。

例えば中1の通知表の評定は、東京都の一般入試では使われませんが、大阪府の一般選抜では使われます。同じ通知表でも、住んでいる地域によって内申点への関わり方が変わるんです。

自分の地域で確かめたいこと
  • 何年生の評定が内申点に入るか
  • 中3は何学期までの評定が入るか
  • 2学期制の学校の場合、どの時点の評定か

違い3:満点と数え方

先に結論

通知表は教科ごとに5段階ですが、内申点は9教科の評定を足し、地域によっては学年や教科の倍率をかけて数えます。だから、同じ通知表でも内申点の数字と満点は地域で変わります。

通知表の評定は、どの教科も5が一番上ですよね。でも内申点になると、45点満点の地域もあれば、450点満点の地域もあります。

同じ通知表から、地域ごとの内申点を出してみる

例えば、中3の通知表の評定が次のようだったとします。

教科評定
国語・数学・英語・社会・理科3・4・3・4・3(合計17)
音楽・美術・保健体育・技術家庭4・3・3・4(合計14)

9教科の合計は31です。この通知表を、令和9年度入試の数え方で内申点にすると、次のようになります。

同じ通知表の評定でも、数え方によって内申点の数字と満点が変わることを示した図解
数え方(令和9年度)計算内申点
9教科をそのまま足す(素内申)17+1431(45点満点)
都立一般入試(5教科受検)17+14×245(65点満点)
愛知県の一般選抜31×262(90点満点)

同じ通知表なのに、31にも45にも62にもなりますよね。これが「同じ5段階でも別物になる」いちばんの理由です。

9教科をそのまま足す数え方は素内申とは?で、通知表から数える手順は内申点の出し方でくわしく説明しています。

評定の決まり方は同じ

数え方は違っても、もとになる評定の決まり方は同じです。各教科で「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つの観点を評価し、それをまとめて評定にします。

評定の決め方の細かいところは、学校ごとに定めることになっています。観点の評価と評定の関係は、観点別評価と内申点で説明しています。

通知表を見ながら、次の一歩を考える

通知表と内申点の違いが分かったら、次は「どの教科を伸ばすか」を考える番です。一人で決めにくい時は、勉強の進め方を相談できる人を探すのもひとつの方法です。

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通知表と内申点の違いでよくある相談

先に結論

「内申書と内申点はどういう意味?」「中1・中2は3学期、中3は2学期の成績が使われるの?」「校則違反をしたら通知表や内申点に響く?」という相談がよく見られます。

通知表と内申点について寄せられる相談から、よくあるものを要約して紹介します。

相談1:内申書と内申点は、どういう意味?

「内申点に響く」とよく言われるけれど、内申書と内申点がそもそも何なのか分からない、という相談です。

内申書は、中学校が高校へ送る調査書の通称です。内申点は、その調査書に書かれた評定を入試用に数えた数字を指すことが多いです。

「内申点に響く」は、評定が下がって入試で使う数字が小さくなる、という意味で使われることが多いですね。ただ、評定は観点ごとの学習の様子から決まるので、何か一つの出来事だけで決まるものではありません。

相談2:中1・中2は3学期、中3は2学期の成績が使われる?

通知表の成績のうち、中1・中2は3学期、中3は2学期の成績が高校に送られると聞いたけれど合っているか、という相談です。

中3については、2学期までの成績を使う地域が多いです。例えば令和9年度の神奈川県は、中3の評定を2学期までの評価・評定としています。

ただ、中1・中2の評定を使うかどうかは地域で違います。令和9年度の東京都の一般入試のように、中1・中2の評定を使わない地域もあるので、自分の地域の決まりを確かめてみてください。

相談3:校則違反をしたら、通知表や内申点に響く?

校則違反が見つかったら、通知表や内申点がまずいことになるのでは、と心配している相談です。

まず、教科の評定は、その教科の3つの観点の学習の様子から決まります。そのうえで、調査書に「行動の記録」の欄があるかは地域で違います。

例えば令和9年度の都立高校入試の調査書には行動の記録の欄がなく、愛知県は令和9年度から調査書情報から行動の記録を削除しました。一方で静岡県の調査書には行動の記録の欄があり、選抜の段階によっては資料になります。

どの地域でも、学校のきまりを守って落ち着いて過ごすことが、学習にも集中しやすくなる近道です。心配な時は、担任の先生に相談してみましょう。

よくある質問

通知表の評定と、内申点に使われる評定は同じですか?

どちらも学校の評価がもとになっています。ただし、内申点に使われるのは調査書に書かれた評定で、使う学年や時期は地域で決まっています。中3の3学期の評定は、多くの場合その年の内申点には入りません。

通知表が5段階なのに、内申点が45点を超えるのはなぜですか?

地域によって、学年や教科の倍率をかけるからです。例えば令和9年度の都立一般入試では実技4教科を2倍にして65点満点、大阪府の一般選抜では3学年分に倍率をかけて450点満点になります。

入試で使う評定は、いつ分かりますか?

地域や学校によって違います。例えば東京都の令和9年度入試では、中学校長が令和9年1月15日までに調査書の内容を保護者に知らせることになっています。出願前に伝えられる見込みの評定については仮内申とは?で説明しています。

通知表の欠席日数は、内申点に入りますか?

欠席日数は、評定を足した内申点には入りません。ただ、調査書に出欠の欄があるかや、選抜でどう扱うかは地域で違います。くわしくは遅刻は内申に響く?を読んでみてください。

通知表と内申点の違いを、保護者はどう見ればいいですか?

通知表は今の学習の様子を知るもの、内申点は入試のために数えるもの、と分けて見るのがおすすめです。通知表では観点のABCから伸ばす所を一緒に探し、内申点は地域の数え方で数えて志望校の情報と照らしてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 通知表は家庭に学習の様子を知らせるもの、内申点は調査書の評定を入試用に数えた数字の通称
  • 中3は2学期までの成績を使う地域が多く、3学期の通知表とはずれることがある
  • 使う学年・倍率・満点は地域で違うので、同じ通知表でも内申点の数字は変わる
  • 通知表の欄のすべてが内申点に入るわけではなく、調査書に何を書くかも地域で違う
内申ドットコム

内申ドットコム 編集部

内申点のしくみや計算方法、都道府県ごとの高校入試での使われ方、内申点を上げるための考え方を、公式の公開情報をもとに整理している情報サイトです。 公式サイト

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