換算内申とは?素内申との違いと計算のしくみ

換算内申とは何かと、素内申との違いを解説する記事のアイキャッチ

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塾や友達との会話で「換算内申いくつ?」と聞かれて、ドキッとしたことはありませんか。通知表の数字を足しただけの内申とは何が違うのか、意外と分かりにくいですよね。

結論から言うと、換算内申は「入試で使う形に計算し直した内申」のことです。よく使われるのは東京都の都立高校入試の話で、実技4教科の評定を2倍にして数えます。

この記事を読めば、換算内申と素内申の違いと、自分の通知表でどう変わるのかが分かります。

目次

換算内申とは?まずは言葉の意味から

先に結論

換算内申は、通知表の評定(5段階の成績)を、入試のルールに合わせて計算し直した数字です。東京都の場合、学力検査をする教科は1倍、しない教科は2倍にして足します。

「換算」は、ある数字を別の物差しに合わせて直すことです。内申換算というと、通知表の評定を入試用の点数に直す作業を指します。

ここで1つ知っておきたいことがあります。実は「内申」「換算内申」「素内申」は、東京都の入試の要綱には出てこない言葉なんです。

公式の書類では「調査書」「評定」「調査書点」という言い方をします。換算内申は、塾や学校の進路の話でよく使われる通称だと思っておきましょう。

東京都の換算内申の数え方

都立高校の一般入試(学力検査に基づく選抜)では、令和9年度入試の場合、次のように数えます。

教科何倍するか満点
学力検査をする5教科(国語・数学・英語・理科・社会)1倍5点×5教科=25点
学力検査をしない4教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭)2倍5点×4教科×2=40点
合計65点

5教科で学力検査を受ける場合の満点は65点です。学力検査が3教科の学校では、満点は75点になります。

『なんで実技だけ2倍なの?』と思いますよね。学力検査で点数を見ない教科は、そのぶん評定を重く見る、という考え方です。

年度で変わることがあります

ここで書いた数え方は、東京都の令和9年度入試の要綱にもとづくものです。入試のしくみは年度ごとに見直されることがあるので、受験する年度の要綱で確かめておきましょう。

素内申と換算内申は何が違う?

先に結論

素内申は9教科の評定をそのまま足した数字、換算内申は実技4教科を2倍にした数字です。東京都では、推薦入試は素内申の形、一般入試は換算内申の形で評定が使われます。

素内申の「素」は、何も手を加えていない、という意味です。9教科がすべて5なら45点で、これが素内申の満点になります。

素内申について詳しくは素内申とは?換算内申との違いで説明しています。

ここでは2つを並べて比べてみますね。

素内申
  • 9教科の評定をそのまま足す
  • 満点は45点
  • 都立の推薦入試で評定を使う時はこの形(特定の教科に重みをかけない)
換算内申
  • 学力検査をしない実技4教科を2倍にする
  • 満点は65点(学力検査5教科の場合)
  • 都立の一般入試で調査書点を出す時の元になる

つまり、同じ通知表でも「どの入試で使うか」によって、見るべき数字が変わるんです。

比べるところ素内申換算内申
計算のしかた9教科をそのまま合計5教科×1+実技4教科×2
満点45点65点(3教科受検は75点)
東京都で使われる場面推薦入試(評定を使う学校)一般入試
実技4教科の重み他の教科と同じ他の教科の2倍

「素内申38だよ」「換算だと52」と話がかみ合わないことがあるのは、このためです。数字を聞いたら、どちらの物差しの話かを確かめるクセをつけておきましょう。

換算内申のあとは調査書点に直す

『換算内申が出たら、それで終わり?』と思うかもしれません。実はもう1段階あります。東京都の一般入試では、換算内申をさらに調査書点に直してから、学力検査の点数と合わせます。

東京都の令和9年度入試では、学力検査と調査書の比率は原則7:3です。要綱の例では、学力検査700点、調査書点300点、スピーキングテスト20点で、合わせて1020点になります。

調査書点は「評定の合計×調査書点の満点÷評定の満点」で直します。7:3で調査書点が300点の学校なら、換算内申×300÷65です。

換算内申計算調査書点(300点満点の場合)
3939×300÷65180
5252×300÷65240
6565×300÷65300

割り切れない時の小数の扱いは、要綱で確かめてください。300点に直すまでの流れは都立高校の内申点の計算方法で順番に解説しています。

比率は学校によって違うことも

芸術・体育に関する学科は原則6:4です。また、令和9年度は7:3と10:0の両方で計算して高い方を使う学校もあります。志望校の比率は、東京都教育委員会の実施方法一覧(別表)で確かめましょう。

同じ通知表で比べると?実技が得意な子と主要教科が得意な子

先に結論

実技4教科が得意な子は、素内申より換算内申で有利になりやすく、主要5教科が得意な子はその逆になりやすいです。素内申が低くても、換算内申では逆転することがあります。

ここが一番おもしろいところです。架空の通知表を3つ用意して、素内申と換算内申を同じように計算してみます。

素内申と換算内申を3つのタイプの通知表で比べた図解

3つのタイプで計算してみる

例えば、次の3人分の評定があるとします。人物の話ではなく、評定の組み合わせの例です。

タイプ主要5教科(国数英理社)実技4教科(音美保体技家)
主要教科が得意すべて5すべて3
実技が得意すべて3すべて5
バランス型すべて4すべて4

この3つを、素内申と換算内申で計算するとこうなります。

タイプ素内申(45点満点)換算内申(65点満点)
主要教科が得意25+12=3725+12×2=49
実技が得意15+20=3515+20×2=55
バランス型20+16=3620+16×2=52

素内申だけ見ると、主要教科が得意なタイプが一番上です。ところが換算内申では、実技が得意なタイプが一番上になります。

『素内申は2点低いのに、換算だと6点も高いの?』と驚く人も多いはずです。実技4教科が2倍になるので、実技の評定の差がそのまま大きく出るんです。

もう少し細かい組み合わせでも比べてみる

すべて同じ評定、という通知表はあまりないですよね。もう少し現実に近い組み合わせでも計算してみます。

教科例1例2
国語・数学・英語・理科・社会5・4・5・4・4(合計22)3・4・3・4・3(合計17)
音楽・美術・保健体育・技術家庭3・3・4・3(合計13)4・5・4・5(合計18)
素内申22+13=3517+18=35
換算内申22+13×2=4817+18×2=53

例1と例2は、素内申がどちらも35でそろっています。それでも換算内申では5点の差がつきました。

友達同士でこんな会話になることもあります。

「素内申、同じ35だったね」
「でも換算にしたら、こっちは53だったよ」

どちらが正しいわけでもなく、物差しが違うだけです。数字を比べる時は、同じ物差しどうしで比べるようにしましょう。

換算内申=素内申+実技4教科の合計

計算のしくみを整理すると、こんな関係になっています。実技4教科は2倍なので、素内申に実技4教科の合計をもう1回足せば換算内申になります。

タイプ素内申実技4教科の合計素内申+実技合計
主要教科が得意371249
実技が得意352055
バランス型361652

さきほどの表と同じ数字になりましたね。自分で計算した時の検算にも使えるので、覚えておくと便利です。

よくある勘違い

「素内申が高い方が、都立の一般入試でも有利」とは限りません。一般入試で使われるのは換算内申の形なので、実技4教科の評定しだいで順番が入れ替わります。

自分の通知表で試してみよう

手元の通知表で、次の順に数えてみてください。

自分の通知表から換算内申を計算する手順のイメージ写真
自分の換算内申を出す手順
  1. 主要5教科(国語・数学・英語・理科・社会)の評定を足す
  2. 実技4教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭)の評定を足す
  3. 実技4教科の合計を2倍にする
  4. 1と3を足すと換算内申になる
  5. 素内申に実技4教科の合計を足して、同じ数字になるか検算する

計算の練習をもっとしたい人は、換算内申の計算方法と計算例で、評定の組み合わせ別に解いてみてください。

「換算」のしかたは都道府県でちがう

先に結論

評定を入試用の点数に直す、という考え方はどの地域にもあります。ただし、使う学年・何倍するか・満点は都道府県ごとに違います。「換算内申65点満点」は東京都の数え方です。

ネットで換算内申を調べると、地域の違う話が混ざっていて混乱しやすいんですよね。そこで、令和9年度入試の公式資料から、評定の直し方を並べてみます。

地域(令和9年度入試)評定の使い方直し方の特徴
東京都(一般入試)中3の評定学力検査をする教科×1、しない教科×2。満点65点(3教科受検は75点)
神奈川県中2の合計+中3の合計×2135点満点を100点満点に換算
埼玉県(共通選抜)中1〜中3(学年の比率を学校が選ぶ)基本点を200点・300点・400点のどれかに換算
千葉県中1〜中3を同じ重みで合計学校ごとのK値(0.5〜2)をかける
愛知県(一般選抜)中3の評定評定合計を2倍して90点満点
大阪府(一般入学者選抜)中1×2+中2×2+中3×69教科で450点。学校のタイプで倍率をかける

千葉県の135は、9教科×5段階×3学年から計算した最大値です。同じ「換算」でも、中身はかなり違いますよね。

自分の地域の換算を確かめるポイント
  • 何年生の評定を使うか
  • 学年ごとに何倍するか
  • 教科ごとに重みをつけるか
  • 評定の満点は何点か
  • 最後に何点満点に直すか

この5つが分かれば、自分の地域の「換算内申」が計算できます。分からない時は、志望する地域の教育委員会の入試要項で確かめるか、担任の先生に聞いてみましょう。

ネットで見かける数字との付き合い方

SNSや掲示板では「換算○○あれば大丈夫」のような数字がよく流れてきますよね。ただ、その数字がどの地域の、何年度の、どの入試の話なのかは書かれていないことがほとんどです。

『自分の地域のことかな?』と迷ったら、次の3つをそろえてから読むようにしてみてください。

  • どの都道府県の話か
  • 何年度の入試の話か
  • 一般入試か推薦入試か

この3つが分からない数字は、参考程度にとどめておくのが安心です。自分の数字は、自分の地域のルールで計算したものを信じましょう。

よくある相談:換算内申の数字で迷った時

先に結論

換算内申の数字だけで「受かる・受からない」は決まりません。学力検査の点数、志望校の比率、推薦か一般かで考え方が変わります。

知恵袋などに寄せられる相談から、よくあるものを3つ選んで答えます。同じ悩みを持っている人も多いはずです。

「素内申35、換算内申49。上の学校を目指すのは無理?」

こういう相談、本当に多いんですよね。結論から言うと、換算内申だけで無理かどうかは決められません。

都立の一般入試は原則7:3なので、学力検査700点・調査書点300点の形が基本です。換算内申49を300点満点に直すと、約226点になります。

残りは学力検査の点数で決まる部分が大きいんです。

「内申が足りないかも」と感じたら、まずは学力検査で何点取れば届きそうかを計算してみましょう。考え方は内申点が足りない時の逆転の考え方が参考になります。

「135分の100に換算って、どういうこと?」

募集要項に「135点満点を100点満点に換算」と書いてあって、意味が分からなかったという相談もあります。

神奈川県の令和9年度入試では、中2の9教科の合計に、中3の9教科の合計の2倍を足します。この135点満点を、100点満点に直すしくみです。計算は「自分の合計×100÷135」です。

例えば合計が108なら、108×100÷135=80点です。ちなみに3学年を同じ重みで足して最大135になる地域もあるので、どの学年の成績を足すのかは要項で確かめてください。

「換算内申53〜55で目指せる都立はどこ?」

学校名を挙げてほしい気持ちは分かります。ただ、内申だけで行ける学校を決める公式の物差しはありません。

『じゃあ、どうやって選べばいいの?』という人は、次の順で考えてみてください。

志望校を考える時に見ること
  • 志望校の比率(7:3か、6:4か、10:0も使う学校か)
  • 学力検査の教科数と傾斜配点の有無
  • 自分の換算内申を調査書点に直した点数
  • 模試や過去問での学力検査の得点の見込み
  • 学校説明会で聞ける入試の情報

換算内申を上げたい時に意識したいこと

先に結論

換算内申では実技4教科が2倍なので、実技の評定を1上げると2点上がります。ただし主要5教科は学力検査の点数にも関わるので、どちらか片方だけに偏らない計画が大切です。

計算のしくみが分かると、『じゃあ実技だけ頑張ればいい?』と考えたくなりますよね。

確かに、実技の評定が1上がると換算内申は2点上がり、主要教科の1点の2倍の効果です。一方で、主要5教科の力はそのまま学力検査の点数にもつながります。

上がった教科換算内申の変化入試全体への関わり
実技4教科のどれかが1上がるプラス2点調査書点に大きく効く
主要5教科のどれかが1上がるプラス1点調査書点に加えて、学力検査の力にもつながる

評定は、3つの観点(知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度)の学習の様子から付きます。実技教科でも、作品や実技の練習、授業のふり返りの書き方など、観点ごとにできることがあります。

例えば、観点ごとにこんな見直し方があります。

観点実技教科で見直せること
知識・技能用語や道具の使い方をワークで確かめる。実技テストの動きを家でも練習する
思考・判断・表現作品のねらいや工夫を、ワークシートに自分の言葉で書く
主体的に学習に取り組む態度うまくいかなかった所をどう直したかを、ふり返りに残す

なお「主体的に学習に取り組む態度」は、挙手の回数やノートの取り方のような形だけで評価するものではない、と国の報告で示されています。目立つことより、学習の中身を大事にすると考えておきましょう。

実技教科の準備は副教科の内申点の上げ方で詳しく紹介しています。

実技4教科で見直したいこと
  • 作品や課題を期限までに仕上げているか
  • 実技テストの練習を授業以外でもしているか
  • 筆記テストの範囲をワークで確認しているか
  • 授業のふり返りシートに、気づいたことを具体的に書いているか

一人でやるか、人の手を借りるか

換算内申を意識し始めると、9教科全部に目を配る必要があります。一人で計画を立てて回すのは、けっこう大変なんです。

人の手が役に立つのは、例えばこんな場面です。

  • つまずいた単元まで戻って、分かるところから学び直したい時
  • 定期テストの範囲に合わせて、教科ごとの計画を立てたい時
  • 提出物やワークの進み具合を、誰かに一緒に確かめてほしい時
  • 分からないところをその場で質問できる相手がほしい時
  • 家で勉強する習慣が、なかなか続かない時

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よくある質問

換算内申と素内申、どちらを覚えておけばいいですか?

両方です。東京都では、推薦入試で評定を使う時は素内申の形、一般入試では換算内申の形が使われます。受ける入試によって見る数字が変わるので、2つとも計算しておくと安心です。

換算内申の満点はいつも65点ですか?

東京都の一般入試で、学力検査が5教科の場合は65点です。学力検査が3教科の学校は75点になります。他の道府県では数え方そのものが違います。

中1や中2の成績も換算内申に入りますか?

東京都の一般入試では、中3の評定を使い、1学期と2学期の成績を十分参考にするとされています。神奈川県や大阪府などは中1・中2の評定も使うので、地域の要項で確かめましょう。

換算内申はいつ分かりますか?

東京都では、中学校が調査書の内容を保護者に通知することになっています。令和9年度入試では1月15日までと定められています。それより前は、通知表の評定から自分で計算しておくのが現実的です。

まとめ

この記事の要点
  • 換算内申は、通知表の評定を入試のルールに合わせて計算し直した数字(通称)
  • 東京都の一般入試では、学力検査をする5教科×1、実技4教科×2で65点満点
  • 素内申は9教科をそのまま足した45点満点で、都立の推薦入試で使われる形
  • 換算内申=素内申+実技4教科の合計なので、実技の評定で差がつきやすい
  • 評定の直し方は都道府県と年度で違うので、志望する地域の要項で確かめる
内申ドットコム

内申ドットコム 編集部

内申点のしくみや計算方法、都道府県ごとの高校入試での使われ方、内申点を上げるための考え方を、公式の公開情報をもとに整理している情報サイトです。 公式サイト

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