内申書とは?調査書に書かれる内容と内申点との違い

内申書(調査書)に書かれる内容と内申点との違いを解説する記事のアイキャッチ

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「内申書に書かれるよ」と先生や親に言われて、ちょっとドキッとしたことはありませんか。『何が書かれているのか分からないから、なんとなく怖い』という人も多いはずです。

結論から言うと、内申書とは、中学校から志望校へ送られる「調査書」という書類のことです。そして、よく聞く「内申点」は、その書類の中にある成績を点数にしたものなんです。

この記事を読めば、内申書の中身と内申点との違い、住んでいる地域で何が変わるのかが分かります。

目次

内申書とは?内申点とどう違うの?

先に結論

内申書は、中学校の校長が進学先の高校に送る「調査書」の通称です。内申点は、その調査書に書かれた教科の成績(評定)を、入試のルールに沿って点数にしたものです。書類と数字、と分けて考えると混乱しません。

まずは言葉の整理から始めましょう。実は「内申書」も「内申点」も、入試の公式な書類にはほとんど出てこない呼び方なんです。

東京都の入試の要綱では「調査書」「調査書点」「評定」という言葉が使われています。「内申」は、学校や塾、家庭でよく使われる通称だと考えてください。

よく聞く呼び方公式な書類での言い方(東京都の例)中身
内申書調査書中学校が作って高校に送る書類
内申点調査書点調査書の教科の成績を点数にしたもの
通知表の5や4評定教科ごとの5段階の成績

内申書は法律で決まった書類

中学校の校長は、高校などに進学しようとする生徒がいる場合、調査書などの書類を進学先の校長に送ることになっています。これは学校教育法施行規則という国のルールで決まっています。

高校の側は、その調査書と学力検査の成績などを資料にして、入学を決めます。つまり内申書は、受験する人全員に関わる書類なんです。

「書類」と「数字」で分けると見えてくる

『内申書と内申点って、同じものじゃないの?』と思った人もいますよね。ここが一番つまずきやすいところです。

内申書(調査書)は「書類」
  • 中学校が作り、志望校に送る
  • 教科の成績のほかに、活動の記録などの欄がある
  • 欄の種類は都道府県で違う
内申点は「数字」
  • 調査書の教科の成績から計算する
  • 計算のしかたは都道府県や入試の種類で違う
  • 活動の記録は、多くの地域で点数に入らない
内申書(調査書)という書類と、そこから計算する内申点という数字の違いを並べた図解

例えば、こんな会話をイメージしてみてください。

「生徒会をやったから、内申点が上がるよね?」「内申書に書かれることはあっても、点数になるかは地域しだいだよ」

このすれ違いは、書類と数字を一緒にしていることから起きます。内申点の計算そのものは内申点とはでくわしく紹介しています。

内申書の評定から内申点を出す例(東京都の一般入試)

書類から数字がどう生まれるのか、東京都の令和9年度入試の一般入試で見てみましょう。東京都では、学力検査をする教科は評定を1倍、しない教科は2倍にして足します。

例えば、5教科で受検する人の内申書に、次の評定が書かれていたとします。

教科内申書の評定計算点数
国語・数学・英語・理科・社会どれも44×5教科×1倍20
音楽・美術・保健体育・技術家庭どれも33×4教科×2倍24
合計20+2444(65点満点)

内申書に並んでいるのは「4」や「3」という評定だけです。それを入試のルールで計算して、はじめて「44」という数字になるんです。

この44を、学力検査との比率に合わせてさらに換算するのが東京都のしくみです。換算のしかたや端数の扱いは、要綱で確かめてください。

地域が変わると同じ内申書でも数字が変わる

神奈川県は中2の評定に中3の評定の2倍を足し、大阪府は中1から中3までの評定に学年ごとの倍率をかけます。同じ評定が書かれていても、出てくる内申点は地域で変わります。

内申書にはどんなことが書かれる?欄ごとの見取り図

先に結論

内申書の元になるのは、学校が生徒ごとに毎年つける「指導要録」という記録です。教科の成績、特別活動、行動、総合所見、出欠など、いくつもの欄があります。

内申書の中身を知るには、まず「指導要録」を知っておくと分かりやすいです。指導要録は、学校が一人ひとりについて学年ごとに作る記録で、調査書はこれを元に作られます。

『そんな記録があるなんて知らなかった』という人がほとんどだと思います。通知表とは別に、学校の中で保管されている書類です。

内申書(調査書)の元になる指導要録の欄を、教科の成績・活動・生活の記録に分けて見せた図解

指導要録の主な欄と、書かれる内容

国が示している中学校の指導要録の様式では、次のような欄があります。

欄の名前書かれる内容内申書との関係
各教科の学習の記録観点別の評価(A・B・C)と5段階の評定内申点の元になる一番大事な欄
総合的な学習の時間の記録取り組んだ内容と、その評価文章で書かれることが多い
特別活動の記録学級活動・生徒会活動・学校行事など十分満足できる状況なら○印
行動の記録学校生活での行動の様子地域によって調査書に入らない
総合所見など特技、部活動、ボランティア、表彰など活動の記録として書かれることがある
出欠の記録欠席日数など。遅刻・早退は備考に地域によって調査書に欄がない

一番大事なのは、やはり教科の成績の欄です。3つの観点で評価したものをまとめて、5段階の評定が付きます。

教科の成績の欄はどう決まる?

観点は「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つです。それぞれA・B・Cで評価され、それをまとめて5段階の評定になります。

評定の決め方は、各学校で定めることになっています。だから『先生の好き嫌いで決まるのでは』と心配しなくて大丈夫です。授業での学び方やテスト、提出物など、観点に沿った学習の様子で評価されます。

補足

「主体的に学習に取り組む態度」は、挙手の回数やノートの取り方のような形式的なことで評価するものではない、と国の報告で示されています。くわしくは観点別評価と内申点で紹介しています。

部活や生徒会は、どの欄に入る?

指導要録では、部活動やボランティア、表彰、特技は「総合所見及び指導上参考となる諸事項」の欄に書く事項になっています。生徒会や委員会は、特別活動の記録に関わります。

ただ、これが高校に送る調査書にどう載るかは地域しだいです。活動の書かれ方は生徒会・委員会・ボランティアと内申書、習い事や検定は内申書に書ける習い事・検定で取り上げています。

住んでいる地域で内申書の中身はこんなに違う

先に結論

高校入試の調査書にどの欄を入れるかは、都道府県ごとに違います。同じ「内申書」でも、ある県では出欠の欄がなく、別の県では活動の記録が合否の資料になります。

ここが内申書のいちばん分かりにくいところです。全国共通の決まった様式があるわけではなく、文部科学省の調査でも都道府県ごとに記入事項の一覧が作られています。

『ネットで見た情報と、うちの学校の話が違う』ということが起きるのは、このためなんです。

公式資料で確かめられる7都府県の例

令和9年度入試の公式資料から、教科の成績以外の欄の扱いを並べてみます。

地域(令和9年度入試)調査書の教科以外の欄選抜での扱い
東京都総合的な学習の時間、諸活動の記録など。出欠・行動・総合所見の欄はない調査書点は教科の評定だけ
神奈川県特別活動等の記録欄、行動の記録及び所見欄がある選考の計算式に入るのは評定などで、活動の記録を点数にする決まりは見当たらない
埼玉県記載項目は教科の学習の記録と総合的な学習の時間の記録活動や出欠の欄そのものがない
千葉県特別活動、部活動等、特記事項(取得資格・表彰など)の欄学校ごとに50点を上限として加点できる
静岡県欠席等の状況、特別活動、行動、諸活動などの欄共通枠の第2段階で、面接とあわせて資料になる
愛知県令和9年度から行動の記録・出欠の記録を削除学習の記録、総合所見などが登録される
大阪府活動/行動の記録がある総合点を基本に、一部の段階で資料になる

同じ欄の名前でも、点数になる県と、参考にとどまる県があるんです。

よくある勘違い

「内申書には欠席日数が書かれて、多いと落ちる」という話をよく聞きます。ただ、東京都の調査書には出欠の欄がありませんし、愛知県も令和9年度から出欠の記録を削除しています。自分の地域の扱いを先に確かめてみてください。

自分の地域の扱いを確かめるには

入試の制度は年度ごとに変わることがあります。ここで挙げた内容も、令和9年度入試の時点のものです。

志望する地域の教育委員会が出している入学者選抜の要項や、学校で配られる進路の資料で確かめましょう。担任の先生に「調査書のどの欄が選抜で使われますか」と聞くのも近道です。

高校受験でどこが見られるかは、高校受験の内申書でさらに深く取り上げています。

内申書は誰が、いつ作るの?見ることはできる?

先に結論

内申書は中学校が作り、校長が確認して高校へ送ります。いつの成績が入るかは地域で違い、東京都では中3の12月31日現在の内容です。地域によっては、中身を保護者に知らせる手続きもあります。

『自分で書くの?』『こっそり何か書かれるの?』と不安になる人もいますよね。流れを知っておくと、ぐっと気持ちが楽になります。

内申書ができるまでの流れ(東京都の令和9年度入試の例)

東京都の例で見る流れ
  1. 中3の1学期・2学期の成績を十分参考にして、12月31日現在の評定が決まる
  2. 学校が、指導要録の記入方法に沿って調査書を作る
  3. 諸活動の記録は、担任だけでなく関係する先生の意見も合わせて書かれ、校長が確認する
  4. 中学校長が、令和9年1月15日までに調査書の内容を保護者に通知する
  5. 出願の時に、調査書が志望校へ提出される

東京都では「調査書記載事項通知書」という書類で、調査書の内容が保護者に知らされます。中身がまったく分からないまま出される、というわけではないんです。

日付は年度ごとに変わります。他の地域で同じような手続きがあるかは、学校や教育委員会の案内で確かめてください。

使われる学年も地域で違う

内申書に入る成績の学年も、地域によって違います。公式資料で分かる例を挙げます。

地域(令和9年度入試)調査書の評定で使う学年
東京都(一般入試)中3
神奈川県中2と中3(中3は2倍)
埼玉県・千葉県・大阪府中1から中3
静岡県・愛知県(一般選抜)中3

『中1の成績は関係ない』と言い切れる地域もあれば、そうでない地域もあります。学年ごとの考え方は中1の内申点でも紹介しています。

内申書についてよくある相談

先に結論

内申書の相談で多いのは「欠席日数」「先生の評価の公平さ」「活動が何年分書かれるか」の3つです。どれも、地域のルールを確かめると答えが見えてきます。

ここでは、知恵袋などでよく見かける相談を3つ選んで、要点をまとめて答えます。

相談1:内申書の出席日数の欄はなくなるって本当?

『出席日数の欄がなくなる県が増えると聞いたけど、自分の県はどうなの?』という相談です。

結論から言うと、県によって違うので「全国で一斉になくなる」とは言えません。文部科学省の令和7年度の調査では、東京都が「調査書の様式に出欠の欄はない」と答えています。福井県も出欠の欄を設けていない、とされています。

一方で、静岡県の調査書には欠席日数や遅刻・早退の回数を書く欄があります。噂より、自分の県の要項を確かめるのが確実です。くわしくは遅刻と内申で取り上げています。

相談2:内申書は先生の好き嫌いで変わらない?

『先生に嫌われたら、内申書に悪いことを書かれるのでは』という心配です。

教科の評定は、3つの観点に沿った学習の様子で決まるものです。東京都の諸活動の記録も、所見を除いた客観的な記録として書く、とされています。

もし評価の理由が気になるなら、「この教科で次に何をがんばればいいですか」と聞いてみてください。責める聞き方ではなく、次の行動を聞く形にすると、具体的なアドバイスがもらいやすくなります。

相談3:部活や生徒会は3年間分が全部書かれる?

『内申書の活動の欄には、中1からの全部が載るの?』という相談です。

これも地域の様式によります。東京都の諸活動の記録には、中学校3年間の継続的な活動や、各学年の特筆すべき活動も書けるとされています。神奈川県では、部活動や生徒会の委員などを活動した学年とともに書く欄があります。

ただ、どの活動を取り上げるかは学校が判断します。書いてほしい活動があれば、担任の先生に事実を伝えておくと安心です。

相談する前に確かめたいこと
  • その話は、どの都道府県の、何年度の入試の話か
  • 「内申書に書かれる」話か、「内申点になる」話か
  • 公立高校の話か、私立高校の話か

知恵袋などの回答は、答えた人の地域や年度の話であることが多いです。この3つを確かめるだけで、噂に振り回されにくくなります。

内申書に向けて、今からできること

先に結論

内申書の中心は教科の成績です。まずは毎日の授業と定期テスト、提出物を大事にすること。そのうえで、活動の記録は事実をメモしておくと、いざという時に困りません。

内申書の中身が分かると、『じゃあ何から始めればいいの?』という気持ちになりますよね。やることは意外とシンプルです。

内申書に向けて確かめておきたいこと
  • 自分の都道府県で、調査書の評定に何年生の成績が入るか
  • 調査書のどの欄が、選抜で点数や資料になるか
  • 教科ごとに、3つの観点のどこでつまずいているか
  • 提出物の期限と、出し忘れがないか
  • 委員会や大会、検定など、活動の事実をメモしているか

教科の成績は「観点」で見直す

評定を上げたいなら、テストの点だけを見るのではなく、3つの観点ごとに見直すのが近道です。知識が足りないのか、考えを書く問題が苦手なのか、学び方を見直したいのかで、やることが変わります。

例えば、テストで計算はできているのに記述で点を落としているなら、「思考・判断・表現」の練習を増やす、という具合です。教科の成績の上げ方は内申点の上げ方で観点ごとに紹介しています。

活動の記録はメモしておく

活動の記録は、学校が事実をもとに書きます。いつ、何の係や委員を、どんな内容でやったかを、自分でもノートにメモしておきましょう。

三者面談の前に見返せば、志望理由や面接の準備にも使えます。

委員会や大会、検定などの活動の事実を書きとめたノートと付箋が置かれた机の手元

一人でやるか、人の手を借りるか

ここまで読んで『分かったけど、一人で続けられるか不安』と感じた人もいるかもしれません。それは自然なことです。

人の手が役立つのは、例えばこんな場面です。

  • 苦手な単元が前の学年にさかのぼっていて、どこから戻ればいいか分からない
  • 定期テストの範囲に合わせて、2週間前からの計画を立てたい
  • 提出物の管理が苦手で、期限を一緒に確かめてほしい
  • 分からない問題を、その場で質問できる相手がほしい
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よくある質問

内申書と通知表は同じものですか?

別のものです。通知表は学校が家庭に知らせるもので、内申書(調査書)は中学校が高校に送る書類です。どちらも教科の5段階の評定が元になりますが、内申書には地域で決められた欄や様式があります。

内申書は自分で見ることができますか?

地域によって違います。東京都の令和9年度入試では、中学校長が調査書の内容を保護者に通知する手続きがあります。他の地域は、学校や教育委員会の案内で確かめてください。

内申書に書かれた活動は内申点に入りますか?

多くの地域では、内申点は教科の評定から計算します。東京都では活動の記録は点数になりません。千葉県のように、学校ごとに記載事項を加点できる地域もあります。

私立高校でも内申書は使われますか?

使われます。東京都の私立高校の推薦入試では、中学校長の推薦書と調査書の提出が求められます。基準や使い方は学校ごとなので、募集要項で確かめましょう。

中学受験にも内申書はありますか?

東京都立の中高一貫校の入試では、小学校長が作る「報告書」が使われます。くわしくは中学受験の報告書の記事で取り上げています。

まとめ

この記事の要点
  • 内申書とは、中学校から高校に送られる「調査書」の通称
  • 内申点は、調査書の教科の評定を入試のルールで点数にしたもの
  • 調査書の元は、学校が毎年つける指導要録
  • どの欄が入り、どう使われるかは都道府県と年度で違う
  • まずは教科の成績を観点ごとに見直し、活動の事実はメモしておく
内申ドットコム

内申ドットコム 編集部

内申点のしくみや計算方法、都道府県ごとの高校入試での使われ方、内申点を上げるための考え方を、公式の公開情報をもとに整理している情報サイトです。 公式サイト

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