大学受験の内申点|調査書が使われる入試と使われ方

大学受験の内申点(調査書)が一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜でどう使われるかを解説する記事のアイキャッチ

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『大学受験って、高校の内申点は関係あるの?』と気になっている高校生は多いはずです。高校受験の時ほど話題にならないので、どこまで大事なのか分かりにくいですよね。

結論から言うと、大学受験の内申点(調査書の評定)は、入試の区分によって重みが大きく変わります。学校推薦型選抜では主な資料になり、一般選抜では試験の成績と組み合わせる資料の一つです。

この記事を読めば、大学入試の内申点がどの入試でどう使われるかと、今からできる準備が分かります。

目次

大学受験の内申点とは?調査書に書かれる中身

先に結論

大学受験でいう内申点は、高校が作る「調査書」に書かれる成績のことです。中心になるのは、科目ごとの5段階の評定と、その平均である「学習成績の状況」です。

大学入試のルールは、文部科学省の「大学入学者選抜実施要項」で決まっています。この記事では、2027年春入学の入試向けの「令和9年度大学入学者選抜実施要項」をもとに説明します。

実は、この要項には「内申点」という言葉は出てきません。公式には「調査書」「評定」「学習成績の状況」という言い方をします。

調査書にはどんなことが書かれる?

大学は、高校が指導要録をもとに作った調査書の提出を求めることになっています。大学と高校が合意すれば、電子データの調査書でもよいとされています。

大学入試の調査書の主な欄
  • 各教科・科目の評定(5段階)と修得単位数
  • 各教科の学習成績の状況と、全体の学習成績の状況
  • 学習成績概評(A〜E)と成績段階別人数
  • 総合的な探究の時間の記録
  • 特別活動の記録と、指導上参考となる諸事項
  • 出欠の記録

評定は5段階で、5が「十分満足できるもののうち、特に程度が高い」、1が「努力を要すると判断されるもののうち、特に程度が低い」です。高校では、単位の修得を認めない場合に評定を1にすることになっています。

「評定平均」は学習成績の状況のこと

よく「評定平均」と呼ばれるのは、調査書の「学習成績の状況」です。すべての評定の合計を評定の数で割り、小数第2位を四捨五入して出します。

要項の例では、評定の合計が120、評定の数が31なら、120÷31=3.87…で「3.9」です。高校の評定のしくみ全体は高校の内申点(評定平均)とは?にまとめています。

高校受験の内申点とはどこが違う?

高校受験の時の内申点と、大学受験の内申点は、同じ言葉でも中身がかなり違います。違いを表にしてみました。

比べるところ高校受験の内申点大学受験の内申点
もとになる成績中学の9教科の評定高校の科目ごとの評定
数え方合計(地域によって倍率をかける)合計を評定の数で割った平均
ルールを決めるところ都道府県(公立高校入試)大学入試の要項と各大学の募集要項
使う学年都道府県で違う高1から高3まで

高校受験の時は「何点満点か」が気になりましたが、大学受験では「平均がいくつか」で話をすることが多くなります。

入試の区分ごとに調査書はどう使われる?

先に結論

大学入試には一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜の3つの区分があります。調査書がいちばん重く使われるのは学校推薦型選抜です。

『推薦は内申が大事、一般は関係ない』とざっくり聞いたことがある人も多いですよね。半分は合っていますが、要項を読むともう少し細かく分かれています。

要項では、入試全体について一つの考え方が書かれています。「調査書の内容、学力検査、小論文・面接等を組み合わせて、多面的・総合的に評価する」というものです。

そのうえで、区分ごとに主な資料が違うんです。

大学入試の一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜で、調査書の使われ方の違いを比べた図解
比べるところ一般選抜総合型選抜学校推薦型選抜
主な資料学力検査・小論文等詳細な書類審査と丁寧な面接等出身高校の校長の推薦と調査書
調査書の位置づけ組み合わせる資料の一つ書類審査の書類の一つ主な資料
本人が書く資料組み合わせることがある評価に使うことになっている推薦書と調査書が中心
面接など組み合わせることがある行うことになっている行うことになっている
自分だけで出願できるかできるできる高校長の推薦が要る

一般選抜:試験が主役、調査書は組み合わせる資料

一般選抜は、学力検査や小論文などを主な資料にする入試です。調査書は、面接や本人が書く資料などと並んで「組み合わせる資料」の一つとされています。

だから『一般選抜なら内申は全然関係ない』とまでは言い切れません。どう使うかは大学ごとなので、大学の一般入試と内申点の記事で確かめ方を見てみてください。

総合型選抜:書類と面接をじっくり見る

総合型選抜は、詳細な書類審査と時間をかけた面接などで、能力・適性や学ぶ意欲、目的意識を総合的に見る入試です。

本人が書く資料(活動報告書・大学入学希望理由書・学修計画書など)を評価に使うことになっています。さらに、調査書などの出願書類だけでなく、小論文・プレゼンテーション・口頭試問などのどれか一つ以上を使うことも決まっています。

『書類と面接なら、評定は見られないの?』と思うかもしれません。ただ、調査書も出願書類の一つなので、評定平均はここでも目に入る材料なんです。

総合型で力を発揮しやすいのは、探究の時間や学校の外での活動など、自分の取り組みを言葉で説明できる人です。評定と活動の両方を少しずつ積み上げておくと安心ですよ。

学校推薦型選抜:調査書が主な資料

学校推薦型選抜は、出身高校の校長の推薦をもとに、調査書を主な資料にする入試です。自分の意志だけでは出願できず、高校が推薦するかを判断します。

そのため大学は、推薦の条件をできるだけ具体的に決めて、募集要項で示すことになっています。推薦の条件に評定平均の数字が入っていることが多いのは、このためです。

例えば、こんな会話を聞いたことはありませんか。

「推薦ってテストなしで受かるんでしょ?」「ううん、面接や小論文もあるし、その前に評定の条件を満たしていないと出願できないこともあるよ」

推薦は、高1からの積み重ねと当日の評価の両方を見る入試だと考えておくとよいでしょう。

補足

学校推薦型選抜でも、調査書や推薦書だけで決めるわけではありません。面接などを行い、小論文などの評価方法も一つ以上使うことになっています。推薦書には、学力の三要素についての評価を書くことが求められています。

入試の時期も区分ごとに違う

令和9年度の要項では、区分ごとの日程の決まりはこうなっています。年度ごとに変わることがあるので、受ける年度の要項で確かめてください。

区分日程の決まり(令和9年度の要項)
総合型選抜出願は令和8年9月1日以降、結果の発表は令和8年11月1日以降
学校推薦型選抜出願は令和8年11月1日以降、結果の発表は令和8年12月1日以降
一般選抜大学の個別試験は令和9年2月1日から3月25日まで、合格発表は令和9年3月31日まで

総合型と学校推薦型は高3の秋に出願が始まります。つまり、高3の前半までの成績が大事になる、ということです。

大学入試の内申点はいつの成績が入る?

先に結論

調査書の評定平均には、高1から積み上げた評定が入ります。高3の成績がまだ決まっていない時は、直近の成績をもとに高校が判定した成績が使われます。

『大学受験に使われるのは高3の成績だけ?』という疑問もよく聞きます。高校受験では中3の成績だけを使う地域もあるので、同じだと思いやすいですよね。

大学入試の評定平均は、高1からのすべての評定を合わせて出します。高1の成績も最後まで平均に入るんです。

高3の成績はどう書かれる?

卒業見込みの人で、最終学年の成績がまだ決まっていない場合があります。その時は、その学年の直近の成績を総合して高校が判定した成績を、最終学年の成績として書くことになっています。

秋に出願する総合型や学校推薦型では、高3の前半までの成績が使われる、と考えておくとよいでしょう。何学期までを使うかは、担任の先生に確かめるのが確実です。

計算のしかたは全国共通

大学入試の評定平均の出し方は、要項で全国共通に決まっています。

ステップやること
1高1からのすべての科目の評定を足す
2評定の数で割る
3小数第2位を四捨五入して、小数第1位までにする

学習成績概評(A〜E)も書かれる

調査書には、全体の評定平均をもとにした「学習成績概評」も書かれます。学年全員の3年間の評定平均を、次の5段階に分けたものです。

全体の学習成績の状況学習成績概評
5.0〜4.3A
4.2〜3.5B
3.4〜2.7C
2.6〜1.9D
1.8以下E

調査書には、学年でA〜Eのそれぞれに何人いるかを書く「成績段階別人数」の欄もあります。

学年ごとの平均をさらに平均すると、ずれることがあります。計算シートを使った出し方は評定平均の出し方でくわしく紹介しています。

評定平均以外に調査書で見られるところ

先に結論

要項では、大学は「学習成績の状況」だけでなく、調査書のほかの記載事項も活用することになっています。探究の時間や特別活動の記録も、見てもらえる材料です。

『評定平均が低いからもうダメだ』と思いこんでいる人もいるかもしれません。でも実は、調査書は評定平均だけの書類ではないんです。

大学入試の調査書で、評定平均以外に見られる欄をまとめた図解
欄どんなことが書かれるか
総合的な探究の時間の記録探究の時間に取り組んだ学習活動と、そこで身についた力
特別活動の記録学校が決めた観点に照らして、十分満足できる活動に○印
指導上参考となる諸事項特徴・特技や学校外の活動など、要点を箇条書きで
出欠の記録指導要録の出欠の記録を書き写したもの

出欠の記録はどう扱われる?

出欠の状況を推薦の条件や合否の材料にする大学もあります。その場合、本人の責任ではない体や健康の理由によるやむを得ない欠席は、不利にならないよう配慮することが要項に書かれています。

欠席が多くて不安な人は、担任の先生に相談して、調査書にどう書かれるかを確かめておきましょう。

未履修の科目があっても不利にしない

全員が学ぶことになっている科目を必履修科目と言います。その未履修があっても、それを理由に合否で不利に扱わないよう配慮する、と要項にあります。評定平均は、未履修の科目を除いて計算することになっています。

よくある思いこみ

「調査書は評定平均の数字しか見られない」という思いこみです。大学によっては、探究の時間や特別活動の記録も評価の材料になります。どこを見るかは、大学の募集要項で確かめましょう。

大学受験の内申点についてのよくある相談

先に結論

よくある相談は「一般なら関係ない?」「何年生の成績が入る?」「小数の扱い」の3つです。どれも、要項と志望大学の募集要項で答えが出ます。

知恵袋などでよく見かける相談を、要約して答えていきます。

相談1:大学受験って内申点は関係ないって本当?

『大学受験は高校の内申点が関係ないと聞いた。部活を続けていなくても影響しない?』という相談はとても多いです。気になりますよね。

一般選抜では試験の成績が主な資料なので、内申の重みは学校推薦型選抜よりずっと軽くなります。ただ、調査書は出願書類として出すので、まったく関係ないとは言えません。

部活動などの記録は、指導上参考となる諸事項などの欄に書かれることがあります。どこまで評価に使うかは大学ごとなので、気になる大学の募集要項で確かめてみてください。

相談2:国公立を受ける時、高校の内申はどれくらい大事?

『国公立大学を受ける予定だけど、内申の重要度が分からない』という相談もあります。

国公立か私立かより、どの入試の区分で受けるかで変わる、と考えると分かりやすいです。一般選抜なら試験が主な資料、学校推薦型選抜なら調査書が主な資料になります。

同じ大学でも、区分ごとに募集要項の書き方が違います。受けたい区分のページを読んでみましょう。

相談3:使われるのは高3の成績だけ?

『高1です。大学受験に使われる内申点は3年生だけですか?』という相談も見かけます。

評定平均は、高1からのすべての評定を合わせて出します。高1の今の成績も、最後まで平均に入っていきます。

相談4:2.966は2.9?それとも3?

『評定平均が2.966だった。2.9になるの?3になるの?』という相談もあります。

要項では、小数第2位を四捨五入します。2.966なら小数第2位の6を切り上げて「3.0」になります。

相談5:評定平均が低くても総合型選抜は受けられる?

『評定平均に自信がないけど、総合型選抜なら受けられる?』という相談も見かけます。

出願の条件に評定平均の数字を入れるかどうかは、大学ごとに違います。条件が書かれていない入試もあるので、まずは募集要項の出願要件を確かめてみてください。

志望大学での使われ方を確かめて、今からできることを決めよう

先に結論

内申がどれくらい大事かは、志望大学・受ける区分の募集要項で決まります。確かめたうえで、高校生活の中でできることを一つずつ積み上げていきましょう。

『結局、自分の場合はどうなの?』というのがいちばん知りたいところですよね。確かめる手順をまとめました。

志望大学での調査書の扱いを確かめる手順
  1. 受けたい大学・学部と、入試の区分(一般・総合型・学校推薦型)を決める
  2. その区分の募集要項で「出願資格」「出願要件」を読む
  3. 評定平均や特定の教科の評定の条件が書かれているか確かめる
  4. 「評価方法」「選抜方法」の欄で、調査書がどう使われるかを確かめる
  5. 分からない時は、大学の入試の窓口や担任の先生に聞く

大学は、大事だと考える教科・科目を指定して、一定以上の評定を出願の条件にできることになっています。条件の数字は大学ごとなので、早めに確かめておくと計画が立てやすくなります。

要項や調査書の様式は、文部科学省の入学者選抜実施要項のページにまとめて載っています。

学年ごとにできること

時期できること
高1評定1をつくらない。苦手な科目は早めに質問する
高2自分の評定平均を一度出し、気になる大学の条件と比べる
高3の前半推薦・総合型を考えるなら、この時期までの成績が使われることを意識する
高3の後半一般選抜の勉強に集中しつつ、卒業までの評定も落とさない

推薦や総合型での準備をもっとくわしく知りたい人は、学校推薦型選抜・総合型選抜と評定平均も読んでみてください。

一人でやるか、人の手を借りるか

『評定を上げたいけど、何から手をつければいいか分からない』と感じる人もいますよね。一人で立て直すのがむずかしい時は、人の手を借りる方法もあります。

人の手が役立つ場面
  • 高1の内容でつまずいた単元に、戻って学び直したい時
  • 定期テストの範囲に合わせて、計画を一緒に立ててほしい時
  • 提出物や課題の締め切りを、誰かと一緒に管理したい時
  • 学校の先生以外にも、気軽に質問できる相手がほしい時
  • 家で勉強する習慣を、まずつくりたい時

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よくある質問

大学の内申点は何点満点ですか?

大学入試で使う評定平均は合計ではなく平均なので、5.0がいちばん上です。調査書では小数第1位までで書かれます。

大学入試の内申点は一般選抜でも見られますか?

一般選抜でも調査書は出願書類として提出し、組み合わせる資料の一つとされています。ただ主な資料は試験の成績なので、どう使うかは大学の募集要項で確かめてみてください。

学校推薦型選抜は評定平均だけで決まりますか?

調査書が主な資料ですが、面接などを行い、小論文などの評価方法も一つ以上使うことになっています。評定平均だけで決まる入試ではありません。

評定平均の条件はどこで分かりますか?

大学ごとの募集要項の出願資格・出願要件の欄に書かれます。大学・学部・区分ごとに違うので、受けたいところのページを確かめましょう。

欠席が多いと大学受験で不利になりますか?

出欠の状況を材料にする大学もありますが、本人の責任ではない体や健康の理由によるやむを得ない欠席は、不利にならないよう配慮することが要項に書かれています。担任の先生に相談してみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 大学受験の内申点は、調査書の評定と学習成績の状況(評定平均)のこと
  • 学校推薦型選抜では調査書が主な資料、一般選抜では組み合わせる資料の一つ
  • 総合型選抜は本人が書く資料と面接、書類審査で総合的に見る
  • 評定平均には高1からの評定が入り、高3は直近の成績をもとに高校が判定する
  • 評定平均以外の欄も活用されるので、志望大学の募集要項で使い方を確かめる
内申ドットコム

内申ドットコム 編集部

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