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模試の結果と通知表を並べて、『偏差値と内申点、結局どっちを見ればいいの?』と迷っている人も多いはずです。ネットで「内申点○なら偏差値○」という表を探した人もいるかもしれませんね。
結論から言うと、内申点と偏差値は「何を測っているか」がまったく違う数字なので、きれいに換算できる公式の表はありません。だからこそ、2つを別々に読んで、志望校の入試のしくみに当てはめて使うのがコツです。
この記事を読めば、偏差値と内申点の違いと、両方を使った志望校の決め方が分かります。
内申点と偏差値はどう違う?
内申点は「学校の先生が、目標に照らしてどこまでできたか」を評価した数字です。偏差値は「同じ模試を受けた人の中で、自分がどのあたりにいるか」を表す数字です。物差しも、比べる相手も違います。
まず、2つの数字の正体から見ていきますね。似たような「成績の数字」に見えますが、実は作られ方が根本から違うんです。
内申点は学校の中の評価
内申点は、通知表や調査書の「評定」を数えたものを指す通称です。公式の資料では「調査書の評定」「調査書点」と呼ばれます。
国の基準では、中学校の評定は5段階です。3は「おおむね満足できる」、4は「十分満足できる」、5は「十分満足できるもののうち、特に程度が高い」という意味です。
評定は、3つの観点(知識・技能/思考・判断・表現/主体的に学習に取り組む態度)の評価をもとに決まります。テストの点数だけでなく、授業中の取り組みや提出物などから先生が判断します。
偏差値は模試の中の位置
偏差値は、模試を受けた人全体の中で、自分の点数がどのあたりにあるかを表す数字です。50がちょうど平均のあたりで、数字が大きいほど上のほうにいるという意味です。
つまり、偏差値は「誰と一緒に受けたか」で動きます。同じ実力でも、受けた模試の顔ぶれが違えば、出てくる数字も変わるんです。
違いを表で比べてみよう
| 比べるところ | 内申点(評定) | 模試の偏差値 |
|---|---|---|
| 誰がつける? | 通っている中学校の先生 | 模試を作った会社の集計 |
| 何を見ている? | 目標に照らした学習の様子(3つの観点) | その模試の点数 |
| 比べる相手 | 目標(ほかの人との比較ではない) | 同じ模試を受けた人 |
| どこで使う? | 高校入試の調査書 | 自分の実力の確認・志望校の目安 |
| 入試の点数に入る? | 入る(地域・学校ごとの計算で) | 入らない |
| 変わるタイミング | 学期ごとの評価 | 模試を受けるたび |
大事なのは最後から2番目の行です。偏差値そのものは入試の点数には入りません。入試の点数になるのは、内申点(調査書)と入試当日の学力検査の点数です。

ネットや情報誌で見る「○○高校の偏差値」も、模試の会社や塾が自分たちのデータから出している目安です。教育委員会が発表している数字ではありません。出しているところが違えば、同じ高校でも数字が違うことがあります。
「内申点○なら偏差値○」の表が作れない理由
内申点の数え方は都道府県で違い、偏差値は模試ごとに違います。さらに評定は学校ごとに決め方を定めています。3つとも「共通の物差し」がないので、1対1の対応表は作れないんです。
『それでも、だいたいの目安くらいは知りたい』と思いますよね。その気持ちは自然です。ただ、目安の表が作れない理由を知っておくと、ネットの数字に振り回されなくなります。
理由1:内申点の満点が地域で違う
内申点は、使う学年や教科の倍率が都道府県で違います。令和9年度入試の公式資料で見ると、満点だけでもこれだけ違います。
| 地域(令和9年度入試) | 内申点の数え方 | 満点 |
|---|---|---|
| 東京都(一般入試・5教科受検) | 中3の評定。学力検査をする5教科は1倍、実技4教科は2倍 | 65点 |
| 神奈川県 | 中2の9教科の合計+中3の9教科の合計×2 | 135点(100点に換算) |
| 大阪府(一般入学者選抜) | 各教科を中3×6+中2×2+中1×2 | 450点 |
| 愛知県(一般選抜) | 中3の9教科の評定合計×2 | 90点 |
| 静岡県 | 中3の9教科の評定 | 計算すると45点 |
同じ「内申30」でも、満点が45点の地域と135点の地域では意味がまるで違いますよね。知恵袋などで見かける「内申90」「内申165」といった数字も、地域の数え方で読まないと比べられません。
理由2:偏差値は模試によって違う
偏差値は、その模試を受けた人の中での位置です。受ける人が多い模試、難関校を目指す人が多く受ける模試など、模試ごとに集団が違います。
そのため、「A模試で55」と「B模試で55」は同じ意味とは限りません。比べるなら、同じ模試の結果どうしで見るのが基本です。
理由3:評定の決め方は学校ごと
評定をどう決めるかは、国の基準のうえで各学校が定めることになっています。観点別の評価を5段階にまとめるルールも、全国一律ではありません。
ネットの「内申点と偏差値の対応表」を見て、自分の行ける高校を決めてしまうことです。どの地域の、どの模試の、どの年のデータなのかが分からない表は、自分には当てはまらないことが多いので、参考程度にとどめましょう。
志望校選びで、内申点と偏差値をどう使う?
内申点は「入試の持ち点」、偏差値は「当日点がどのくらい取れそうかの目安」として使い分けます。そのうえで、志望校が内申と当日点をどんな割合で見るかに当てはめて考えます。
2つの数字は換算できませんが、役割を分ければ両方とも志望校選びに使えます。ここが大事なところです。
公立高校:内申と当日点の割合を見る
公立高校の一般入試では、調査書(内申)と学力検査(当日点)を合わせて合否を決める地域が多いです。その割合は地域や学校で違います。
例えば東京都の令和9年度入試では、一般入試は原則「学力検査7:調査書3」です。要綱の例では、学力検査が700点、調査書点が300点に換算されます。
大阪府では、学校ごとに次のタイプから選ぶしくみです。
| タイプ(大阪府・令和9年度) | 学力検査:調査書 |
|---|---|
| Ⅰ | 7:3 |
| Ⅱ | 6:4 |
| Ⅲ | 5:5 |
| Ⅳ | 4:6 |
| Ⅴ | 3:7 |
同じ内申点でも、調査書の割合が大きい学校では差がつきやすく、学力検査の割合が大きい学校では当日点で取り返しやすくなります。割合の決まり方は内申点と当日点の比率でくわしく紹介しています。
私立高校:入試相談では偏差値を使わない地域も
東京都の私立高校の推薦入試や併願優遇では、中学校の先生と高校が事前に「入試相談」をします。東京私立中学高等学校協会の説明では、入試相談で使うのは内申や観点別評価、出欠などの記録です。
同じ説明の中で、業者テストをはじめとする「偏差値」を用いた相談は行わない、とはっきり書かれています。つまり、少なくとも東京都の私立の入試相談では、模試の偏差値ではなく内申が基準になるんです。
推薦や併願優遇の内申基準は学校ごとに違います。基準の確かめ方は志望校の内申基準の調べ方を参考にしてみてください。
両方を使って志望校を考える手順
- 自分の地域の内申点の数え方(使う学年・倍率・満点)を確かめる
- 通知表から、自分の内申点をその数え方で計算する
- 志望校の入試が、内申と当日点をどんな割合で見るかを調べる
- 模試の偏差値や判定から、当日点がどのくらい取れそうかを考える
- 私立の推薦・併願優遇は、内申基準を募集要項や説明会で確かめる
- 担任の先生や塾の先生に、計算した結果を見せて相談する
ポイントは、手順4までは「自分で数字を出す」作業で、手順5と6は「人に確かめる」作業だということです。自分で出した数字を持って相談すると、話がぐっと具体的になりますよ。
模試の偏差値を見る時のコツ
偏差値は1回の結果で一喜一憂しやすい数字ですよね。ただ、1回分だけでは体調や出題範囲の相性でぶれることもあります。
- 同じ会社の模試どうしで、前回と比べているか
- 5教科の合計だけでなく、教科ごとの偏差値も見ているか
- 志望校の判定が、何回分の結果で出ているかを確かめたか
- 出題範囲に、まだ学校で習っていない単元が入っていないか
例えば、英語だけ偏差値が低いなら、当日点の伸びしろは英語にあると考えられます。教科ごとの数字を見ると、次の勉強の配分が決めやすくなります。
内申と模試の組み合わせ別、4つのタイプと動き方
内申点の高い・低いと、模試の偏差値の高い・低いの組み合わせで、4つのタイプに分けて考えると、次にやることが見えやすくなります。タイプによって、伸ばすべきところが違うんです。
ここからは、この記事オリジナルの整理です。内申点と偏差値を「どっちが大事か」で比べるのではなく、組み合わせで見てみましょう。
「高い」「低い」は、志望校の基準や模試の判定と比べた時の感覚で大丈夫です。
| タイプ | 内申点 | 模試の偏差値 | よくある状況 | 次にやること |
|---|---|---|---|---|
| タイプ1 | 高い | 高い | 学校の勉強も入試の力も順調 | 志望校の割合を確かめ、当日の問題形式に慣れる |
| タイプ2 | 高い | 低い | 提出物や授業はしっかり。初見の問題や範囲の広い問題が苦手 | 1・2年の復習と、時間を計った問題演習を増やす |
| タイプ3 | 低い | 高い | 実力はあるが、評定に反映されていない教科がある | 提出物・授業での取り組み・実技教科を見直す |
| タイプ4 | 低い | 低い | どこから手をつけるか迷っている | 次の定期テストの範囲を固めることから始める |

タイプ1:どちらも順調な時
順調な時ほど、『このままで大丈夫かな』と油断しやすいものです。この時期にやっておきたいのは、志望校の入試の形に合わせた準備です。
例えば、学力検査で傾斜配点をする学校や、面接・特色検査がある学校もあります。入試の中身を確かめて、当日の形式に慣れておきましょう。
タイプ2:内申は高いのに偏差値が伸びない
定期テストは範囲が決まっていますが、模試や入試は1年生からの全範囲が出ます。『学校のテストはできるのに、模試だと点が取れない』のは、このギャップのせいであることが多いです。
「定期テストは90点だったのに、模試だと60点台…」「範囲が広いと、どこから出るか分からないよね」。こんな会話に心当たりがある人も多いはずです。
1・2年の単元で抜けているところを探して、戻って復習するのが近道です。時間を計って解く練習も、模試の点数を上げるのに役立ちます。
タイプ3:偏差値は高いのに内申が伸びない
模試で点が取れているのに評定が上がらない場合は、テスト以外の評価の材料に目を向けてみましょう。評定は、3つの観点の評価をもとに決まるからです。
- 提出物を期限どおりに、全部出しているか
- ワークやレポートで、自分の考えを書く欄を埋めているか
- 実技教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭)で手を抜いていないか
- 授業で分からないところを、質問や振り返りで解決しようとしているか
ちなみに、「主体的に学習に取り組む態度」は、挙手の回数やノートの取り方のような形だけで評価するものではない、と国の報告で示されています。目立つことより、学習を調整しながら粘り強く取り組む様子が大事なんですね。上げ方は内申点の上げ方でくわしく紹介しています。
タイプ4:どちらも低いと感じる時
『どっちも足りないし、もう無理かも』と感じてしまうかもしれません。でも実は、次の定期テストの範囲を固めることは、内申と模試の両方に効きます。テストの範囲は入試範囲の一部だからです。
まずは1教科だけ、次のテストで「ワークを2周する」など小さな目標を決めてみてください。
地域によって「内申点の効き方」はどう変わる?
内申点が入試の合計にどれだけ効くかは、地域と学校によって大きく変わります。偏差値の目安を見る前に、自分の地域で内申がどれくらい効くのかを知っておきましょう。
同じ評定1つでも、地域の数え方によって点数の重みが変わります。例えば「評定を1つ上げる」と、内申点がいくつ増えるかを比べてみます。
| 地域(令和9年度入試) | 中3の評定を1つ上げると | 中1・中2の評定を1つ上げると |
|---|---|---|
| 東京都(一般・5教科受検) | 5教科なら1点、実技4教科なら2点増える(65点満点の中で) | 使わない |
| 神奈川県 | 2点増える(135点満点の中で) | 中2は1点、中1は使わない |
| 大阪府(一般) | 6点増える(450点満点の中で) | 2点増える |
| 愛知県(一般) | 2点増える(90点満点の中で) | 使わない |
| 千葉県 | 1点にKの値をかけた分 | 中3と同じ |
例えば東京都で7:3の学校なら、調査書点は「換算内申×300÷65」で計算できます。実技の評定を1つ上げると換算内申が2点増えるので、調査書点では2×300÷65で約9.2点分になります。端数の扱いは要綱で確かめてみてください。
このように、内申の重みが分かると、模試の偏差値をどこまで上げればいいかの考え方も変わってきます。年度ごとに変わることがあるので、志望する地域の教育委員会の最新の要項で確かめましょう。
一人でやるか、人の手を借りるか
ここまで読んで、『自分がどのタイプか分かっても、何から手をつければいいか迷う』という人もいるかもしれません。一人で進められる人もいますが、人の手が役立つ場面もあります。
- 模試で落とした1・2年の単元に戻って、つまずいた所から学び直したい時
- 定期テストの範囲に合わせて、2週間前からの計画を一緒に立ててほしい時
- 提出物の期限や出し忘れを、誰かに確認してもらいたい時
- 分からない問題を、その場で質問できる相手がほしい時
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内申点と偏差値でよくある相談
よくある相談の多くは「偏差値は足りているのに内申が心配」「内申と偏差値の関係が分からない」というものです。どちらも、志望校がどんな割合で内申を見るかを確かめるところから答えが見えてきます。
ここでは、Yahoo!知恵袋などで多かった相談を、内容を変えない範囲でまとめて答えます。
相談1:模試の偏差値は高いのに、内申点が低くて志望校は難しいと言われた
『偏差値は足りてるのに、なんで?』と思いますよね。理由は、志望校の入試で内申がどのくらいの割合を占めるか、にあることが多いです。
調査書の割合が大きい入試では、当日点で取り返せる幅が小さくなります。また東京都の私立の入試相談のように、偏差値ではなく内申の記録で相談する仕組みもあります。
まずは、志望校の内申と当日点の割合を確かめてみてください。そのうえで、学力検査の割合が大きい学校や、学力検査だけの比率でも計算する学校がないかを、先生と一緒に探すのもひとつの方法です。
相談2:中1の子どもの保護者。内申点と偏差値の関係がそもそも分からない
保護者の方からも、こんな声がよく聞かれます。「塾に行くかどうかを決めるために、まず仕組みを知りたい」という相談です。
この記事の最初の表のとおり、内申点は学校の評価、偏差値は模試の中の位置です。中1の評定を入試に使うかどうかも地域で違うので、まずは住んでいる地域の数え方を確かめましょう。保護者ができる関わり方は内申点のために保護者ができることにまとめています。
相談3:不登校で内申が足りなくても、偏差値が高ければ合格できる?
こちらも多い相談です。答えは、地域と学校の入試のしくみによって変わります。
例えば東京都の令和9年度入試では、学力検査と調査書を7:3と10:0の両方で計算し、高い方を使う学校があります。また東京都では、出席日数が少なく評価できない教科は斜線になり、その場合は学力検査の得点などを参考に高校が調査書点を求める、と要綱に書かれています。
ただし、扱いは地域ごとに違います。学校の先生と相談しながら、志望する地域の要項で確かめるのがいちばん確実です。不登校と内申点の考え方は不登校と内申点で紹介しています。
よくある質問
内申点と偏差値はどっちが大事ですか?
どちらが大事かは、志望校の入試のしくみで変わります。内申点は入試の点数に入る「持ち点」、偏差値は当日点がどのくらい取れそうかの目安なので、志望校の内申と当日点の割合を見て判断しましょう。
内申点から偏差値を計算する方法はありますか?
ありません。内申点は学校の先生が目標に照らしてつける評価、偏差値は模試を受けた人の中での位置で、作られ方がまったく違うためです。
「高校の偏差値」は公式の数字ですか?
公式の数字ではありません。模試の会社や塾が自分たちのデータから出している目安なので、出しているところによって数字が違うことがあります。
私立高校の推薦は偏差値で決まりますか?
東京都の私立高校の入試相談では、業者テストの偏差値は使わず、内申などの記録で相談すると説明されています。推薦基準は学校ごとに違うので、募集要項や説明会で確かめましょう。
まとめ
- 内申点は学校の中の評価、偏差値は模試の中の位置で、物差しが違う
- 内申点と偏差値の公式な対応表はなく、地域・模試・学校で数字の意味が変わる
- 内申点は「入試の持ち点」、偏差値は「当日点の目安」として使い分ける
- 志望校が内申と当日点をどんな割合で見るかを確かめる
- 内申と模試の組み合わせで4つのタイプに分けると、次にやることが見える





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