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『内申が足りないけど、当日のテストで逆転できるのかな』と考えている中3は多いはずです。周りから「内申で決まる」と言われると、不安になってしまいますよね。
結論から言うと、内申点が足りない時の逆転は「内申の差が、当日点で何点分にあたるか」を計算すると見通しが立ちます。その答えは、志望校の比率によって大きく変わるんです。
この記事を読めば、比率ごとの計算のしかたと、自分の数字を入れて使えるワークシートが分かります。
逆転できるかは「比率」で決まる
公立高校の入試では、調査書(内申)と学力検査(当日点)を、決められた比率で合わせて総合点を出すことが多いです。学力検査の比率が大きい学校ほど、内申の差を当日点で取り返しやすくなります。
「内申が4違うと、当日何点で追いつけるの?」という疑問、ありますよね。実はこれ、同じ内申の差でも、学校の比率によって答えがまったく違うんです。
例えば東京都の令和9年度の一般入試は、原則として学力検査7:調査書3の比率です。大阪府の令和9年度の一般入学者選抜は、学校ごとに学力検査7:調査書3から3:7までのタイプを選びます。
比率のしくみそのものは内申点と当日点の比率で紹介しています。この記事では、比率が分かったあとの「計算」に集中します。
ここでの計算は、令和9年度の公式資料にある配点をもとにした考え方の例です。実際の端数の扱いや、面接・特色検査などの配点は学校ごとに違うので、志望校の要項で確かめてください。
内申の差を当日点に置きかえる計算式
計算は「内申の差 × 内申1点の重さ ÷ 当日点1点の重さ」です。この答えより多く当日点を取れば、総合点で追いつく計算になります。
『計算って聞くだけで苦手…』という人もいますよね。でも、やることは3つの数を出して、かけ算と割り算をするだけです。
- 自分と比べたい相手(または目安)との内申の差を出す
- 内申1点が、総合点で何点にあたるかを出す
- 当日点1点が、総合点で何点にあたるかを出す
- 1の差×2÷3で、取り返すのに必要な当日点を出す

ここで言う「内申1点の重さ」は、地域の数え方で内申を総合点に直した時の重さです。言葉だけだとイメージしにくいので、実際の地域の配点で計算してみましょう。
地域ごとに計算してみよう
同じ「内申の差」でも、東京都・神奈川県・愛知県・大阪府では取り返すのに必要な当日点が違います。学力検査を重く見る学校ほど、必要な点数は小さくなります。
ここからは架空の差で計算します。計算の答えは小数で出るので、実際にはそれより多く取れば追いつく、と読んでください。
東京都の一般入試(令和9年度・7:3・5教科受検の場合)
東京都では、5教科受検の場合の評定の満点は65点(いわゆる換算内申)です。7:3の学校では調査書点は300点、学力検査は500点を700点に直します。
| 項目 | 計算 |
|---|---|
| 換算内申1点の重さ | 300÷65=約4.6点 |
| 当日点1点の重さ | 700÷500=1.4点 |
| 換算内申1点を取り返す当日点 | 約4.6÷1.4=約3.3点 |
例えば換算内申が4違う場合は、4×300÷65=約18.5点の差です。これを1.4で割ると約13.2なので、5教科の合計で約13.2点より多く取れば追いつく計算になります。
実技4教科は2倍で数えるので、実技教科の評定が1違うと換算内申は2違います。換算内申の数え方は都立高校の内申点の計算方法で確かめてみてください。
神奈川県(令和9年度・学校ごとの比率)
神奈川県では、中2の9教科の合計と中3の9教科の合計の2倍を足した135点満点を、100点満点に直します。学力検査は5教科の合計を100点満点に直し、学校が決めた比率をかけます。
例えば中3の評定が2つ低い場合、135点満点の中では2×2=4の差です。100点満点に直すと4×100÷135=約2.96点になります。
| 調査書:学力検査 | 内申の差(比率をかけた後) | 当日点1点の重さ | 取り返す当日点 |
|---|---|---|---|
| 4:6 | 約2.96×4=約11.9 | 0.2×6=1.2 | 約9.9点 |
| 2:8 | 約2.96×2=約5.9 | 0.2×8=1.6 | 約3.7点 |
当日点1点の重さは、500点満点を100点満点に直すので1点=0.2点、そこに学力検査の比率をかけています。ここでは学力検査を5教科・重点化なしとして計算しました。
愛知県(令和9年度・校内順位の決定方式)
愛知県の一般選抜では、評定得点は中3の評定の合計を2倍した90点満点、学力検査は110点満点です。学校が選んだ方式で、どちらかに倍率をかけます。
評定の合計が2違う場合、評定得点では2×2=4の差です。
| 方式 | 計算 | 取り返す当日点 |
|---|---|---|
| Ⅰ 評定得点+学力検査 | 4÷1 | 4点 |
| Ⅱ 評定得点×1.5+学力検査 | 4×1.5÷1 | 6点 |
| Ⅲ 評定得点+学力検査×1.5 | 4÷1.5 | 約2.7点 |
| Ⅳ 評定得点×2+学力検査 | 4×2÷1 | 8点 |
| Ⅴ 評定得点+学力検査×2 | 4÷2 | 2点 |
同じ評定の差でも、方式Ⅳなら8点、方式Ⅴなら2点と、4倍も違いますね。
大阪府(令和9年度・タイプⅠからⅤ)
大阪府の一般入学者選抜では、各教科の評定を中3は6倍して数えます。中3の評定の合計が2違うと、450点満点の中で2×6=12の差です。学力検査は各90点・計450点です。
| タイプ(学力:調査書) | 内申の差 | 当日点1点の重さ | 取り返す当日点 |
|---|---|---|---|
| Ⅰ(7:3) | 12×0.6=7.2 | 1.4 | 約5.1点 |
| Ⅲ(5:5) | 12×1.0=12 | 1.0 | 12点 |
| Ⅴ(3:7) | 12×1.4=16.8 | 0.6 | 28点 |
タイプⅤの学校では、中3の評定が2違うだけで、当日点で28点の差になる計算です。比率を知らずに「当日で取り返す」と考えるのが危ない理由が分かりますよね。
自分の数字で計算するワークシート
自分の志望校の配点を入れて、空欄を順番に埋めていけば、取り返すのに必要な当日点が出せます。答えが分かったら、当日の試験のどこで上積みするかまで考えておきましょう。
『自分の場合はどうなるの?』と思った人は、このワークシートに数字を入れてみてください。
| 欄 | 書くこと | 東京都・7:3の記入例 |
|---|---|---|
| ア | 内申の差(地域の数え方で) | 換算内申で4 |
| イ | 内申の満点 | 65 |
| ウ | 調査書の点数の満点(比率をかけた後) | 300 |
| エ | 内申1点の重さ(ウ÷イ) | 約4.6 |
| オ | 当日点の素点の満点 | 500 |
| カ | 当日点の満点(比率をかけた後) | 700 |
| キ | 当日点1点の重さ(カ÷オ) | 1.4 |
| ク | 取り返す当日点(ア×エ÷キ) | 約13.2 |
最後のクが、5教科の合計で上積みしたい点数の目安です。5教科で割ると、1教科あたり何点上げればいいかもイメージできます。東京都の例なら、約13.2÷5で1教科あたり約2.6点です。

上積みする点数を、どこで取る?
必要な点数が分かったら、次はそれを当日の試験のどこで取るかです。例えば、友達とこんな話をしたことはありませんか。
「あと14点って、どうやって取ればいいんだろう」「1教科3点くらいなら、ミスを減らすだけでいけるかも」
| 上積みのしかた | やること |
|---|---|
| ミスを減らす | 計算や書き写しのミスを、見直しの時間で防ぐ |
| 基本問題を落とさない | 過去の問題で毎回落とす単元から復習する |
| 時間配分を決める | 解ける問題から先に解く順番を練習しておく |
| 部分点をねらう | 記述問題は途中まででも書く練習をする |
大きく点を伸ばすより、落としている点を拾うほうが近道なことも多いです。まずは過去の問題を1回分解いて、どこで点を落としているかを書き出してみてください。
この計算は、総合点のうち調査書と学力検査の部分だけを見たものです。東京都のスピーキングテストの点数(20点満点)や、面接・作文などを行う学校では、その配点も合計に入ります。神奈川県の第2次選考のように評定を使わない選考や、静岡県の共通枠のように段階で選ぶしくみもあるので、要項でしくみ全体を確かめましょう。
いくつかの地域の計算を並べて見比べたい人は、高校受験の内申点の計算も参考になります。
内申点が足りない時の逆転でよくある相談
「当日点重視の方式なら逆転しやすい?」「内申が違って当日点が同じなら、どちらが有利?」「1学期の成績がつかなかった」という相談がよく見られます。
内申点が足りない時の逆転について寄せられる相談から、よくあるものを要約して紹介します。
当日点を重く見る方式の学校なら、内申が低くても逆転しやすい?
愛知県で当日点を重く見る方式を選ぶ学校が増えていると聞き、内申の扱いを知りたい、という相談です。
上の計算のとおり、方式Ⅴでは評定得点の差を当日点の半分の点数で取り返せます。方式は学校ごとに選ばれ、年度によって変える学校もあると県の資料にあるので、受ける年度の一覧で志望校の方式を確かめてみてください。
内申が違って当日点が同じなら、どちらが合格に近い?
内申が4違う2人が、当日同じ点数を取った場合、どちらが合格しやすいのか、という相談です。
『当日が同じなら、内申の差はそのまま残るの?』と気になりますよね。
総合点で比べる入試なら、当日点が同じ時は内申が高い人のほうが総合点は上になります。どれくらい差があるかは、ワークシートで計算できます。内申が低い側は、その差より多く当日点を取れば追いつく計算です。
1学期の成績がつかなかった。都立の入試はどうなる?
学校に通えない時期があり、中3の1学期の評定がついていない、という東京都の中学生からの相談です。
東京都の令和9年度の要綱では、出席日数が少なく評価できない教科は、斜線(スラッシュ)にすることがあります。その場合は、学力検査の得点などを参考にして都立高校が調査書点を求めるとされています。自分の調査書がどう書かれるかは、担任の先生に相談してみてください。
逆転を目指すなら、計算で出た点数を「どの教科のどの問題で取るか」まで落とし込むのが大事です。過去の問題を時間を計って解き、毎回落としている単元から手をつけてみてください。
内申が低い時の志望校の考え方は、内申点が低い時の高校選びで3つの方向に分けて紹介しています。
一人でやるか、人の手を借りるか
当日点を上積みしたい時は、苦手な単元を見つけて戻って学ぶことが近道です。人の手が役立つのは、例えばこんな場面です。
- 中1・中2の単元でつまずいた所まで戻って教えてもらう
- 学校の定期テストの範囲に合わせて計画を立てる
- 提出物の締め切りを一緒に管理する
- 分からない問題を、その日のうちに質問できる
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よくある質問
内申点が足りなくても、当日点で逆転できますか?
比率によっては、当日点で内申の差を取り返せる計算になります。必要な点数は学校の比率で大きく変わるので、志望校の配点で計算してみてください。
取り返すのに必要な当日点はどうやって出しますか?
「内申の差×内申1点の重さ÷当日点1点の重さ」で出せます。この記事のワークシートに、志望校の配点を入れて計算してみてください。
実技教科の内申が低い時、当日点で取り返すのは大変ですか?
東京都の一般入試のように実技4教科を2倍で数える地域では、実技教科の評定の差は5教科の倍の重さになります。そのぶん取り返すのに必要な当日点も大きくなります。
計算の答えが小数になった時はどうすればいいですか?
その数より多く取れば追いつく、と考えます。実際の端数の扱いは要項で決まっていることがあるので、ぎりぎりの時は確かめておきましょう。
まとめ
- 内申点が足りない時に逆転できるかは、志望校の比率で大きく変わる
- 計算は「内申の差×内申1点の重さ÷当日点1点の重さ」
- 同じ内申の差でも、地域や方式によって取り返す当日点は数倍違う
- 面接やスピーキングテスト、段階で選ぶしくみなど、計算以外の要素も要項で確かめる
- 計算で出た点数を、どの教科のどの問題で取るかまで落とし込む





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