内申点が低い時の高校選び|当日点・入試方式で考える

内申点が低い時の高校選びを、当日点を重く見る入試や入試方式から考える方法を解説する記事のアイキャッチ

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通知表を見て『この内申じゃ、行ける高校なんてないかも』と落ち込んでいませんか。先生から志望校のレベルを下げるよう言われて、もやもやしている人もいるはずです。

結論から言うと、内申点が低い時の高校選びは、あきらめる前に「入試のしくみ」を確かめるところから始めます。内申の重さは地域・学校・入試方式で大きく違い、当日の試験を重く見る入試もあるからです。

この記事を読めば、内申が低い時に志望校を考える3つの方向と、それぞれで調べることが分かります。

目次

まず「どの内申が低いのか」を確かめよう

先に結論

内申が低いと感じたら、最初に「入試で使われる学年の成績が低いのか」を確かめます。地域によっては中1や中2の成績を入試に使わないので、気にしている成績が入試に関係しないこともあります。

『中1の成績が悪かったから、もう手遅れ』と思っている人は少なくありません。でも実は、入試の調査書に使う学年は、都道府県によってかなり違うんです。

令和9年度入試の公式資料から、公立高校の一般的な選抜で使う学年を並べてみます。

地域(令和9年度)調査書の評定で使う学年学年の重み
東京都中3のみ1学期と2学期の成績を十分参考にする
神奈川県中2・中3中2の合計+中3の合計×2
埼玉県中1・中2・中3学校ごとに1:1:1、1:1:2、1:1:3から選ぶ(共通選抜)
千葉県中1・中2・中33学年を同じ重みで合計
静岡県中3のみ2学期末(12月末)まで
愛知県中3のみ(一般選抜)評定の合計を2倍
大阪府中1・中2・中3中1×2+中2×2+中3×6

表を見ると、東京都・静岡県・愛知県の一般的な選抜では、中1・中2の評定は使われません。神奈川県では中2も入りますが、中3の成績が2倍の重さです。

年度と地域をそろえて見る

入試のしくみは年度ごとに変わることがあります。この表は令和9年度の資料をもとにしたものです。ほかの道府県や、受ける年度の決まりは、教育委員会の要項で確かめてください。

「低い」の物差しをそろえる

「内申が低い」と言っても、5教科が低いのか、実技教科が低いのかで打てる手は変わります。例えば東京都の一般入試では、学力検査をしない実技4教科の評定は2倍で数えます。

自分の評定を、志望する地域の数え方で一度計算してみましょう。計算のしかたは内申点の計算方法で紹介しています。

内申点が低いと感じた時に、使われる学年と教科を確かめてから志望校を考える順番を示した図解

内申点が低い時の高校選びは3つの方向で考える

先に結論

内申が低い時の高校選びは、「当日点を重く見る入試を探す」「私立の一般入試で当日勝負をする」「残りの時間で内申を上げる」の3方向で考えます。どれか1つではなく、組み合わせて使うのが現実的です。

『結局、内申が低いと選べる高校が少なくなるの?』と不安になりますよね。ここでは、考え方を3つの方向に分けて並べてみます。

内申点が低い時の高校選びを、当日点を重く見る入試・私立の一般入試・内申を上げる残り時間の3方向で示した図解
方向向いている人調べること
当日点を重く見る入試模試や実力テストでは点が取れている志望校の学力検査と調査書の比率
私立の一般入試(フリー受験)推薦や併願優遇の基準に届かない当日の試験の教科と形式
内申を上げる残り時間まだ中3の2学期の成績がつく前入試に使われる学期と教科

どの方向から考えるかは、次のチェックで見当をつけてみてください。

自分に合う方向を考えるチェック
  • 模試や実力テストの点は、通知表の印象より高い(方向1・2)
  • 志望する私立の推薦や併願優遇の基準に届かない(方向2)
  • 入試に使われる学期の成績が、まだついていない(方向3)
  • 実技教科の評定が低く、5教科は悪くない(地域の数え方を確かめる)

学力と内申に差がある人は、1つ目と2つ目の方向が合いやすいです。逆に、テストの点もまだ伸ばしたい人は、3つ目の方向と当日の試験の準備を同時に進めることになります。

当日点を重く見る入試を探す(方向1)

先に結論

公立高校では、学力検査と調査書の比率を学校ごとに決めている地域が多くあります。同じ地域の中でも、学力検査を重く見る学校を選べば、内申の差が合否に与える影響は小さくなります。

「内申が低くても、当日で取り返せる学校ってあるの?」という疑問、よく聞きます。答えは、地域によって探し方が違う、です。

比率が学校ごとに違う地域の例

令和9年度入試の公式資料では、次のように学校ごとの比率の幅が決められています。

地域(令和9年度)比率の決め方学力検査を重く見る形
神奈川県調査書と学力検査を2:8から8:2の範囲で学校が決める学力検査の比率が大きい学校
大阪府タイプⅠからⅤを学校が選ぶタイプⅠ(学力検査7:調査書3)
愛知県校内順位の決定方式ⅠからⅤを学校が選ぶ学力検査に1.5倍や2倍をかける方式(ⅢとⅤ)
千葉県調査書の得点にかけるKを0.5から2の範囲で学校が決めるKが小さい学校
埼玉県共通選抜で調査書を200・300・400点から学校が選ぶ(学力検査は500点)調査書の点数が小さい学校
東京都原則7:3一部の学校で、7:3と10:0の高い方を使う方法がある

神奈川県では、募集人員の90%までを選ぶ第1次選考のあと、残りを選ぶ第2次選考があります。第2次選考では評定を使わず、学力検査と「主体的に学習に取り組む態度」の評価で選ぶとされています。

比率のしくみをもっと知りたい人は、内申点と当日点の比率を読んでみてください。

比率だけで決めないで

学力検査を重く見る学校でも、内申が点数に入ることに変わりはありません。また、静岡県の令和9年度の共通枠のように、最初の段階で9教科の評定合計の上位から対象をしぼる方式もあります。比率と選び方の両方を、要項で確かめましょう。

志望校の比率を自分で確かめる手順

比率は、ネットのまとめより公式の資料で確かめるのが安心です。手順はそれほど難しくありません。

比率を確かめる手順
  1. 住んでいる都道府県の教育委員会のページで、受ける年度の入試の要項を開く
  2. 学校ごとの比率や方式を載せた一覧を探す
  3. 志望校の行を見て、調査書と学力検査の配点をメモする
  4. 分からない言葉は、担任の先生か学校説明会で聞く

同じ学校でも、学科やコースによって比率が違うことがあります。メモには学科名も書いておきましょう。

評定の扱いが違う学校の種類もある

都道府県によっては、評定の扱いが違う学校の種類もあります。例えば東京都のチャレンジスクールは、令和9年度の要綱で調査書の提出を必要とせず、志願申告書・面接・作文で選考するとされています。

神奈川県のクリエイティブスクールは、学力検査を行わず、評定ではなく観点別学習状況を使って総合的に選考します。こうした学校は、学び方や学校生活の特色も大きく違います。入試のしくみだけでなく、説明会などで学校の中身も見て選んでみてください。

私立の一般入試で当日勝負をする(方向2)

先に結論

私立高校の推薦や併願優遇は、各校の内申基準に届いていることが前提です。基準に届かない時は、優遇を使わない一般入試(フリー受験)で、当日の試験の結果で勝負する方法があります。

東京私立中学高等学校協会は、基準に届かない場合などに優遇なしで受けることを「フリー受験」と呼ぶこともある、と説明しています。東京都の令和9年度の資料では、私立の一般入試の選抜方法は学力検査・面接・調査書等とされています。

フリー受験のよいところ
  • 内申の基準がなくても受けられる
  • 当日の試験に向けた準備がそのまま力になる
フリー受験で気をつけること
  • 優遇がないぶん、当日の試験で合格ラインを越える必要がある
  • 調査書をどのくらい見るかは学校ごとに違う

私立の入試方式の全体像は私立高校の内申点で紹介しています。

フリー受験に向けた当日の準備

フリー受験では、当日の試験の点数がそのまま合否につながります。まずは受ける学校の試験の教科と時間、問題の形を募集要項や説明会で確かめましょう。

そのうえで、過去の問題が手に入るなら、時間を計って解いてみるのがおすすめです。『どの単元でいつも点を落としているか』が分かれば、残りの時間の使い方も決めやすくなります。

公立と私立の組み合わせを考える

内申が低い時ほど、公立と私立の組み合わせが大事になります。例えば、家族とこんな話になることもありますよね。

「公立は当日点を重く見る学校にして、私立はフリーで1校受けてみたら?」「私立の試験の教科を調べてみないとね」

組み合わせを考える時は、それぞれの入試日と、合格したあとの手続きの締め切りも確かめておきましょう。東京都の私立高校の資料では、都立と併願する人の入学手続きのお金の扱いが、学校ごとにAからFの区分で示されています。

内申を上げる残り時間を使う(方向3)

先に結論

入試に使われる学期の成績がまだついていないなら、内申を上げる時間は残っています。例えば東京都では中3の1学期と2学期の成績を十分参考にするとされているので、2学期の定期テストと提出物が大事になります。

『今から頑張っても、もう変わらないんじゃないか』と思うかもしれません。でも、入試に使われる成績が中3の2学期までなら、そこまでの時間は使えます。

今の時期内申のためにできること
中3の1学期1学期の定期テストと提出物、授業での取り組み
中3の夏休み中1・中2のつまずいた単元の戻り学習
中3の2学期2学期の定期テスト、提出物の締め切り
中3の2学期の成績がついたあと当日の試験の準備に時間を寄せる

評定は、定期テストの点数だけでなく、提出物や授業での学習の様子も合わせて、学校ごとのやり方でつけられます。どこで点を落としているかは、教科の先生に聞いてみるのがいちばん確かです。

残り時間で内申を上げる進め方
  1. 入試に使われる学期を確かめる
  2. あと1上がりそうな教科を2つか3つ選ぶ
  3. その教科の提出物と定期テストの範囲を先に固める
  4. テストのあとは答案を見直し、次のテストにつなげる

評定が1つ上がると、内申はどれだけ動く?

同じ「1つ上がる」でも、地域の数え方によって内申の動き方は違います。例えば9教科の評定がすべて3の場合で考えてみましょう。

東京都の一般入試(5教科受検)の数え方では、5教科は1倍、実技4教科は2倍です。すべて3なら、3×5+3×4×2=15+24=39になります。

ここで美術だけが3から4に上がると、実技4教科の合計は13になり、15+13×2=15+26=41です。5教科のどれかが1つ上がった場合は、16+24=40になります。

地域の数え方(令和9年度)5教科が1つ上がる実技教科が1つ上がる
東京都の一般入試(65点満点)+1+2
神奈川県(中3の評定は2倍)+2+2
大阪府(中3の評定は6倍)+6+6

神奈川県は中3の評定を2倍、大阪府は中3の評定を6倍にして数えるので、中3で1つ上がった時の動きが大きくなります。どの教科から手をつけるかを決める時の参考にしてみてください。

上げ方の具体的な進め方は、内申点の上げ方でくわしく紹介しています。

中学3年の机の上に、ワークと定期テストの範囲表、付箋を貼ったノートが並ぶ手元の写真

当日点を伸ばすか、内申を上げるか

当日点と内申のどちらに時間を使うかは、志望校の比率と、入試に使われる学期が残っているかで決めます。迷ったら、定期テストの勉強を入試の復習も兼ねて進めるのがむだのない形です。

中3の定期テストの範囲は、入試にも出る内容が多いです。定期テストの勉強は、内申と当日点の両方につながります。

志望校と時期の状況時間の使い方
学力検査を重く見る学校で、2学期の成績がもうついた当日の試験の過去問と苦手単元
学力検査を重く見る学校で、2学期がまだこれから定期テストを入試の復習として受ける
調査書を重く見る学校で、2学期がまだこれから提出物と定期テストを優先

当日点で内申の差を取り返すには何点必要か、計算で確かめたい人は内申点が足りない時の逆転を見てみてください。

一人でやるか、人の手を借りるか

内申を上げる勉強と当日の試験の準備を同時に進めるのは、一人だと大変ですよね。人の手が役立つのは、例えばこんな場面です。

  • 中1・中2の単元でつまずいた所まで戻って教えてもらう
  • 学校の定期テストの範囲に合わせて計画を立てる
  • 提出物の締め切りを一緒に管理する
  • 分からない問題を、その日のうちに質問できる
  • 毎日決まった時間に勉強する習慣をつくる

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内申点が低い時の高校選びでよくある相談

先に結論

「学力はあるのに内申が低い」「中1の成績が悪い」「1学期に2がついた。志望校を下げるべき?」という相談がよく見られます。

内申点が低い時の高校選びについて寄せられる相談から、よくあるものを要約して紹介します。

学力と内申に差がある。勧められた学校を受けるべき?

内申点が低いので、学力より下の学校を勧められたけれど、学力と内申に差があって納得できない、という相談です。

こういう時こそ、比率を調べる意味があります。同じ地域でも、学力検査を重く見る学校なら、当日の試験の力を生かしやすくなります。勧められた学校とあわせて、比率の違う学校を担任の先生と一緒に比べてみてください。

中1の成績が低く、1もついている。高校に行ける?

中1の時に学校を休んでいた時期があり、評定に1がついているという中2からの相談です。

まず、住んでいる地域で中1の成績が入試に使われるかを確かめましょう。令和9年度の東京都・静岡県・愛知県の一般的な選抜では、中3の評定を使います。中1の成績を使う地域でも、これからの学年の成績が入るので、今からの過ごし方が大事です。

学校を休んでいた事情があるなら、一人で抱えずに担任の先生や学校の相談窓口に相談してみてください。休んでいた時期と内申の考え方は不登校と内申点でも紹介しています。

1学期に2が1つついた。志望校を下げるべき?

中3の1学期の内申が低く、1教科だけ2がついてしまい、志望校のレベルを下げるべきか迷っている、という相談です。

1学期の時点で決めてしまうのは、少し早いかもしれません。2学期の成績が入試に使われる地域なら、まだ上げる時間があります。一方で、当日の試験の準備も同時に進めておくと、どちらに転んでも動きやすくなります。

志望校の話は面談の場で

志望校を変えるかどうかは、数字だけで自分で決めつけず、担任の先生や家族と面談の場で話してみてください。比率や基準を調べたメモがあると、話がぐっと具体的になります。

志望校の基準の調べ方は、志望校の内申基準の調べ方でまとめています。

よくある質問

内申点が低いと、公立高校は受けられませんか?

受けられないわけではありません。公立高校は、調査書と学力検査などを合わせて選考します。学力検査を重く見る学校もあるので、志望する地域の要項と学校ごとの比率を確かめてみてください。

内申点が低い時は私立高校のほうが入りやすいですか?

一概には言えません。私立の推薦や併願優遇は内申の基準が前提です。基準に届かない場合はフリー受験で当日の試験の結果で勝負することになります。

中1の成績が悪いと、高校入試で不利になりますか?

地域によります。令和9年度の東京都・静岡県・愛知県の一般的な選抜では中3の評定を使います。埼玉県・千葉県・大阪府のように中1の評定も使う地域もあるので、要項で確かめましょう。

実技教科の内申が低い時はどうすればいいですか?

東京都の一般入試のように、実技4教科を2倍で数える地域もあります。授業の提出物やプリントの見直しなど、実技教科で取り組めることを教科の先生に聞いてみてください。

内申点が低い時、志望校はいつまでに決めればいいですか?

東京都の私立高校で併願優遇などを使う場合は、12月頃の三者面談までに志望校を決めておく必要があると説明されています。公立の出願の時期も地域ごとに確かめておきましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 内申が低いと感じたら、まず入試で使われる学年と教科の成績かを確かめる
  • 高校選びは「当日点を重く見る入試」「私立のフリー受験」「内申を上げる残り時間」の3方向で考える
  • 学力検査と調査書の比率は、地域や学校ごとに違う
  • 入試に使われる学期が残っていれば、定期テストと提出物で内申を上げる時間がある
  • 志望校は数字だけで決めつけず、担任の先生や家族と面談の場で話す
内申ドットコム

内申ドットコム 編集部

内申点のしくみや計算方法、都道府県ごとの高校入試での使われ方、内申点を上げるための考え方を、公式の公開情報をもとに整理している情報サイトです。 公式サイト

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