高校受験の内申点|入試での使われ方と当日点との関係

高校受験の内申点が入試でどう使われ、当日点とどう合わせて見られるかを解説する記事のアイキャッチ

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『高校受験の内申点って、結局どれくらい合否に関係するの?』と、モヤモヤしている人も多いはずです。

結論から言うと、高校受験の内申点は、入試当日の点数や面接などと合わせて「合計」で見られる資料の一つです。どれくらいの重さになるかは、都道府県と学校、入試の種類によって変わります。

この記事を読めば、高校入試の内申点が合否にどう組み込まれるのかと、自分の地域で何を確かめればいいかが分かります。

目次

高校受験の内申点とは?

先に結論

高校受験の内申点とは、中学校が高校に送る「調査書」に書かれた評定を、入試の点数として数えたものを指す通称です。公式には「調査書の評定」「調査書点」と呼ばれます。

内申点という言葉は、教育委員会の要項にはほとんど出てきません。公式の書類では、中学校が送る書類を「調査書」、そこに書かれる5段階の成績を「評定」と呼びます。

学校教育法施行規則では、中学校の校長は、進学する生徒の調査書などを進学先の校長に送ると定められています。そして高校の入学は、調査書や学力検査の成績などを資料にした選抜で決まります。

もとになる評定はどう決まる?

内申点のもとになる評定は、各教科の学習の様子を5段階でまとめたものです。国の基準では、5は「十分満足できるもののうち、特に程度が高い」、3は「おおむね満足できる」とされています。

評定は「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つの観点の評価(A・B・C)をもとに決まります。観点をどう5段階にまとめるかは、学校ごとに定めることになっています。

評定国の基準での意味
5十分満足できるもののうち、特に程度が高い
4十分満足できる
3おおむね満足できる
2努力を要する
1一層努力を要する

調査書に書かれるものは地域で違う

調査書に何が書かれるかは、都道府県ごとに違います。令和9年度入試の公式資料から、いくつか例を挙げます。

地域調査書の主な中身(令和9年度入試)
東京都各教科の学習の記録、総合的な学習の時間、諸活動の記録など。出欠の記録や行動の記録の欄はない
埼玉県9教科の評定と、総合的な学習の時間の記録
千葉県教科の学習の記録のほか、特別活動・部活動等の記録・特記事項など
静岡県中3の評定のほか、欠席等の状況、特別活動、行動の記録、諸活動の記録など
愛知県令和9年度から「行動の記録」「出欠の記録」を調査書情報から削除

『内申には欠席日数も全部書かれるんでしょ?』と思っている人もいるかもしれません。でも実際は、地域によって欄そのものがないこともあるんです。

点数として数えられるのは、多くの地域で9教科の評定が中心です。そのうえで、地域によっては記載事項が加点や選抜の資料になります。

合否は「調査書点+学力検査+その他」の合計で考える

先に結論

公立高校の一般的な入試では、調査書点と学力検査の点数を足し、そこに面接や検査などの点数が加わることがあります。内申点だけ、当日点だけで決まるわけではありません。

内申点高校受験の話でいちばん大事なのが、この「合計で見る」という考え方です。合計の中で内申が何割を占めるかが、学校ごとの比率になります。

高校入試の合否を調査書点と学力検査とその他の点数の合計で考える図解

東京都の例で合計を見てみる

東京都の令和9年度の実施要綱には、合計点の例が載っています。5教科で傾斜配点なし、学力検査と調査書点の比率が7:3の場合です。

中身点数(要綱の例)
学力検査500点を700点に換算
調査書点300点に換算
英語スピーキングテスト(ESAT-J)20点
総合得点1020点

このうち調査書点は、合計1020点のうち300点です。面接や作文などを行う学校では、そこにさらに点数が加わります。

ほかの地域の「合計」の形

東京都以外でも、合計の形は要項に書かれています。令和9年度入試の例をいくつか見てみましょう。

地域合計の形(令和9年度入試)
神奈川県第1次選考は「調査書の値×f+学力検査の値×g」。特色検査をする学校はその値×iも足す
大阪府学力検査450点と調査書の評定450点に、学校が選んだタイプの倍率をかけて合計(900点満点)
愛知県評定得点(90点満点)と学力検査(110点満点)を、学校が選んだ方式ⅠからⅤで合計
埼玉県共通選抜は学力検査500点、調査書200点から400点、面接30点か60点の合計

形は違っても、「内申と当日点を、決められた重みで足す」という考え方は共通しています。式の中の記号や倍率が何を表しているかを読み取れれば、自分の地域の合計も考えやすくなりますよ。

「その他」に入るものは地域で違う

合計に加わる「その他」の中身も、地域によってさまざまです。

地域調査書点と学力検査のほかに加わるもの(令和9年度入試)
東京都英語スピーキングテストの結果(原則、英語の学力検査をする学校)、面接や作文などを行う学校はその点数
神奈川県特色検査(実技検査、自己表現検査、面接)を行う学校はその点数。第2次選考では「主体的に学習に取り組む態度」の評価
埼玉県面接(全員)。30点満点か60点満点を学校が選ぶ
千葉県学校設定検査(面接や作文など)。調査書の記載事項の加点(学校ごとに50点が上限)
大阪府自己申告書や調査書の「活動/行動の記録」が、合格ライン付近の選抜で資料になる

合格ライン付近で、内申以外が見られることもある

合計点だけで全員を決めず、合格ライン付近の受験者を別の資料で見る地域もあります。

大阪府の一般入学者選抜では、総合点の上位から募集人員の90%を合格とし、残りは自己申告書や調査書の「活動/行動の記録」の内容も資料にします。静岡県の共通枠でも、学習の記録以外の記載事項と面接の結果で合格者を決める段階があります。

『内申と当日点だけ見ていればいい』と思っていると、面接や検査を見落としてしまうことも。志望校の選抜方法を一度通して読んでおきましょう。

内申点をどう計算するかは、高校受験の内申点の計算で手順ごとに紹介しています。

公立と私立、推薦と一般で内申の使われ方はどう違う?

先に結論

公立の一般入試では内申は「合計点の一部」、私立の推薦や併願優遇では「基準を満たすかどうか」を見る材料として使われることが多いです。同じ内申でも、役割が違うんです。

内申点高校の入試での使われ方は、入試の種類によって変わります。東京都の公式資料をもとに、よくある形をまとめました。

入試の種類内申の使われ方公式資料にあること(東京都・令和9年度)
公立の一般入試学力検査と合わせた合計点の一部中3の評定を使い、学力検査をしない教科は2倍。比率は原則7:3
公立の推薦入試面接や作文などと合わせた総合成績の一部9教科の評定(満点45点)か観点別評価のどちらかを点数化
私立の推薦入試学校の推薦基準を満たすかどうか各私立高校が定める推薦基準に該当する者が応募できる
私立の併願優遇学校の基準を満たすと優遇がある成績などの基準を満たした受験者に、加点などの優遇をする学校がある
私立の一般入試学力検査や面接と合わせて見る資料選抜方法は学力検査、面接、調査書等

私立高校の推薦や併願優遇では、12月15日以降の数日間に、私立高校と中学校の先生による入試相談が行われます(東京都の私立協会の説明)。入試相談では内申などの記録を使い、偏差値は使わないとされています。

公立高校の内申の特徴
  • 計算式や比率が要項で公表されている
  • 合計点の一部なので、当日点で取り返す考え方ができる
  • 都道府県ごとに使う学年や倍率が違う
私立高校の内申の特徴
  • 基準は学校ごとに決まり、募集要項や説明会で確かめる
  • 推薦や併願優遇では、基準を満たすかどうかが大事になる
  • 入試相談の結果は確約や内定ではない

併願優遇で知っておきたいこと

東京私立中学高等学校協会の説明では、併願優遇は、私立高校が成績などの基準を設けて、満たした生徒に加点などの優遇をする制度です。どう優遇するかは学校ごとに違い、併願優遇を行わない学校もあります。

併願優遇を使う場合は、12月ごろの三者面談までに志望校を決めて、担任の先生に相談しておく必要があるとされています。当日のテストで合格ラインに届かなければ不合格になる、という点も覚えておきましょう。

私立高校の基準の考え方は私立高校の内申点でくわしく紹介しています。

都道府県ごとに確かめる項目リスト

先に結論

高校入試の内申点は、地域ごとにルールが違います。下のリストの項目を、受験する年度の要項で一つずつ確かめていくと、自分の地域のしくみが分かります。

『どこを見ればいいのか分からない』という人のために、確かめる項目をリストにしました。担任の先生に聞く時のメモとしても使えます。

自分の地域で確かめる項目
  • 調査書の評定を、何年生の分まで使うか
  • 学年ごとに倍率をかけるか(中3を2倍など)
  • 教科ごとに倍率をかけるか(実技教科を2倍など)
  • 評定を何点満点に換算するか
  • 学力検査と調査書の比率は、県の原則か学校ごとか
  • 面接や特色検査など、ほかに加わる点数があるか
  • 評定以外の記載事項が点数や選抜の資料になるか
  • 推薦入試と一般入試で、内申の扱いが違うか
よくある失敗

ほかの県の話や、数年前の先輩の話をそのまま自分に当てはめてしまうパターンです。使う学年や比率は地域と年度で変わるので、受験する年度の自分の地域の資料で確かめましょう。

調べる順番

要項を調べる手順
  1. 都道府県の教育委員会のページで、受験する年度の入学者選抜の資料を探す
  2. 実施要項や選抜要領の「調査書」「選抜の方法」の部分を読む
  3. 学校ごとの比率や方式の一覧で、志望校の行を確かめる
  4. 分からない言葉は、担任の先生や進路説明会で聞いてみる
高校受験の内申点のしくみを確かめるため、入試の資料を読みながらメモを取る手元のイメージ

年度によって変わることがある

入試のしくみは、年度ごとに見直されることがあります。令和9年度入試でも、いくつかの地域で変更がありました。

地域令和9年度入試の主な変更
埼玉県令和9年度から新しい制度。共通選抜と特色選抜の2種類になり、面接は志願者全員
愛知県調査書情報から「行動の記録」「出欠の記録」などを削除
東京都学力検査と調査書点を7:3と10:0の両方で計算し、高い方を使う選抜を新たに2校で実施

先輩から聞いた話や、数年前の情報が今年もそのまま使えるとは限りません。受験する年度の要項で確かめる習慣をつけておきましょう。

この記事で扱っている7つの地域のしくみの違いは、公立高校の内申点で表にまとめて比べています。

高校受験の内申点について、都道府県ごとに確かめる項目を並べたチェックリストの図解

内申点と当日点、どちらが大事?

先に結論

どちらが大事かは、志望校の比率と、自分の評定と当日点の力によって変わります。「どちらか一方だけでいい」という学校は多くありません。

『7:3なら当日点のほうが大事でしょ?』と考える人は多いですよね。確かに割合だけ見れば当日点が大きいですが、内申の差がゼロになるわけではありません。

例えば、こんな会話をしたことはありませんか。

「内申が足りないけど、当日がんばれば何とかなるよね」「比率によって、取り返さなきゃいけない点数が変わるらしいよ」

比率が分かると、評定1つが当日点の何点分にあたるかを計算できます。その考え方は内申点と当日点の比率で紹介しています。

自分の状況考え方の例
評定は高いが、当日点に不安がある内申の割合が大きい学校も候補に。当日点は基本問題を落とさない練習を
当日点には自信があるが、評定が低め学力検査の割合が大きい学校も候補に。残りの学期の評定も落とさない
どちらも伸ばしたい中3の2学期までは評定と当日点の両方、調査書の時点のあとは当日点に集中
内申がかなり足りない入試方式や比率の違う学校も含めて、選び方を考え直す

学年ごとに今できること

高校受験の内申点は、学年によってできることが変わります。使う学年は地域で違いますが、考え方の目安を表にしました。

学年内申点のためにできること当日点のためにできること
中1提出物と授業の取り組みの習慣をつくる。中1から使う地域では評定も数えられる基本の計算や英単語を積み上げる
中2中2から使う地域では評定が数えられる。中だるみに気をつける1年分の復習で、苦手単元を残さない
中3の2学期まで調査書に入る評定の中心になりやすい入試範囲の総復習を少しずつ始める
調査書の時点のあと評定は決まっていることが多い入試の過去問や苦手分野の仕上げに集中する

内申点が低い時の高校の選び方は、内申点が低い時の高校選びでまとめています。

高校入試の内申点でよくある相談

先に結論

「テストはいいのに評定が3」「内申が10足りなくても当日点で補えるか」「7:3の学校で内申は大事か」の3つがよく見かける相談です。

ここでは、高校受験の内申点についてよく見かける相談をまとめて答えます。

テストの点はいいのに、評定が3より上がらない

テストの成績はかなりいいのに、評定が3から上がらない、という相談はよく見かけます。評定は「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つの観点をまとめて決まるんです。

テストの点数は大事な材料ですが、それだけで評定が決まるわけではありません。通知表の観点のうち、BやCがついている所を見てみると、伸ばす場所が見えてくることが多いです。

「主体的に学習に取り組む態度」は、挙手の回数のような形だけの活動で評価するものではない、とされています。課題に粘り強く取り組んだり、学び方を工夫したりする様子が見られる観点です。

内申が10足りなくても、当日点で補える?

内申が10足りない時に当日点で補えるかは、比率と、内申の数え方によって答えが変わります。同じ「10」でも、地域によって数え方が違うからです。

まずは自分の地域のしくみで、その10が当日点の何点分にあたるかを計算してみてください。

例えば東京都の一般入試(5教科受検・7:3の学校)で、換算した評定の合計が10違う場合を考えます。調査書点の差は10×300÷65で約46.2点、学力検査の1点は1.4点なので、当日の素点で約33点分になります。

5教科で約33点と聞くと、1教科あたり6〜7点ほどです。『それなら何とかなるかも』と思える人もいれば、『大きいな』と感じる人もいますよね。

そのうえで、取り返す点数が現実的かを、模試の結果や先生の意見と合わせて考えるのがおすすめです。

当日と内申が7:3の学校で、内申は大事?

7:3の学校でも、内申は合計の3割を占めます。割合は小さく見えても、差がつけば当日点で取り返す必要が出てきます。

例えば東京都の一般入試(5教科受検)では、実技4教科の評定は2倍で数えます。実技の評定が1つ違うだけでも、調査書点は約9.2点動く計算です。

一人でがんばるか、人の手を借りるか

内申と当日点の両方を準備するのは、一人だと大変ですよね。人の手を借りるなら、つまずいた単元の戻り学習や、定期テストの範囲に合わせた計画づくりを一緒に進めてもらえます。

提出物の締め切りの管理や、分からない所をすぐ質問できる相手がいることも、勉強の習慣づくりの助けになります。

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よくある質問

高校受験の内申点とは何ですか?

中学校が高校に送る調査書に書かれた評定を、入試の点数として数えたものを指す通称です。公式には「調査書の評定」「調査書点」と呼ばれます。

高校入試の内申点は何年生から関係しますか?

地域によって違います。令和9年度入試では、東京都は中3だけ、神奈川県は中2と中3、埼玉県・千葉県・大阪府は中1から中3までを使います。

内申点が高ければ、当日点が低くても合格できますか?

合計で見られるので、内申が高くても当日点が低ければ合計が伸びません。比率によってどちらがどれくらい重いかが変わるので、志望校の比率を確かめておきましょう。

私立高校の内申基準はどこで分かりますか?

私立高校の推薦基準や併願優遇の基準は学校ごとに決まります。募集要項や学校説明会で確かめてみてください。

内申点高校入試の資料は、自分で見られますか?

東京都では、中学校長が調査書の内容を保護者に知らせる通知を出すことになっています(令和9年度入試では1月15日まで)。ほかの地域の扱いは、担任の先生に確かめてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 高校受験の内申点は、調査書に書かれた評定を数えたものを指す通称
  • 合否は「調査書点+学力検査+その他」の合計で考える
  • 公立では合計点の一部、私立の推薦や併願優遇では基準を見る材料になることが多い
  • 使う学年、倍率、比率、ほかの点数は都道府県と学校で違うので、要項で確かめる
内申ドットコム

内申ドットコム 編集部

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