私立高校の内申点|推薦・併願優遇の内申基準のしくみ

私立高校の内申点が推薦・単願・併願優遇・一般の入試方式ごとにどう使われるかを解説する記事のアイキャッチ

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『私立高校は内申点が関係ないって聞いたけど、本当?』と気になっている中学生や保護者の方は多いはずです。友達の間でも「私立は当日のテストだけ」「いや、内申で決まる」と話が分かれますよね。

結論から言うと、私立高校の内申点は、どの入試方式で受けるかによって使われ方が大きく変わります。推薦や併願優遇では出願の前の段階で内申が見られ、一般入試では当日のテストの比重が大きくなります。

この記事を読めば、入試方式ごとに私立の内申点がどこで関わるのかと、いつまでに何を確かめればいいかが分かります。

目次

私立高校に内申点は関係ないって本当?

先に結論

「関係ない」とは言い切れません。推薦入試の応募資格や併願優遇の基準には、各私立高校が定めた成績の基準があります。一方で、優遇を使わない一般入試では、当日の学力検査の結果が中心になります。

「私立は内申関係ないから、公立より楽だよ」という話、聞いたことがあるかもしれません。実はこれ、半分は合っていて、半分は誤解なんです。

東京都が発表した令和9年度の都内私立高校の入試の資料を見てみましょう。推薦入試に出願できるのは「各私立高等学校の定める推薦基準に該当する者」とされています。併願優遇も「各学校が定める成績等の基準」を満たした人が対象です。

つまり、内申点を使う入り口がある一方で、内申の基準がない受け方もある、というのが私立の入試です。

公立と私立で、内申の使われ方はここが違う

公立高校と私立高校では、内申点の扱いの決め方そのものが違います。

比べるところ公立高校私立高校
内申の扱いを決めるところ都道府県の教育委員会が要項で決める各私立高校が募集要項で決める
内申の使い方学力検査と合わせて点数にすることが多い出願の基準や優遇の条件として使うことが多い
基準の数字比率や満点が要項で公表される学校ごと・年度ごとに違う
確かめる場所教育委員会の要項志望校の募集要項・説明会

公立高校の内申点の使われ方は、高校受験の内申点で詳しく紹介しています。

入試方式ごとに私立の内申点の関わり方を比べてみよう

先に結論

私立高校の入試は、大きく「推薦」「単願」「併願優遇」「一般(フリー)」に分けて考えると分かりやすくなります。内申点が効いてくるのは、主に出願前の基準と入試相談の場面です。

『推薦と単願と併願優遇、何が違うの?』と混乱している人は多いですよね。ここでは、内申点がどの場面で関わるかに絞って比べてみます。

私立高校の入試方式ごとに、内申点が関わる場面を比べた図解
入試方式内申点が関わる場面当日の試験合格したら
推薦入試推薦基準に届いているか(出願前)作文・面接・適性検査などから学校が選ぶその学校に入学する前提
単願(専願)学校によって基準を設ける場合がある学力試験があるその学校に入学する前提
併願優遇優遇を受ける基準に届いているか(出願前)学力試験がある公立などの結果を見てから決められる
一般(フリー受験)調査書が資料の一つになる学力試験が中心学校の手続きの決まりによる

表の中で「入学する前提」と書いたものは、合格したらその学校に進むことを約束して受ける形です。第一志望かどうかで、選べる方式が変わるんです。

推薦入試では、内申は「出願できるかどうか」に関わる

東京都の私立高校の推薦入試では、次の3つをすべて満たす必要があると、東京私立中学高等学校協会が説明しています。

推薦入試を受けるための条件(東京都の私立の場合)
  • その私立高校が第一志望であること
  • 在籍している中学校の校長の推薦書がもらえること
  • その私立高校が定める推薦基準に届いていること

推薦入試の選抜方法は、書類審査・作文・面接・実技・適性検査の中から、それぞれの学校が必要なものを選びます。協会の説明では、適性検査は国語・数学・英語の3教科を、一般入試より短い時間で行う場合が多いとされています。

推薦入試と内申点のくわしい関係は、高校の推薦入試と内申点で取り上げています。

単願(専願)は第一志望として受ける一般入試

神奈川県の公立高校の募集案内には、県内の私立高校の入試の概要が載っています。そこでは一般入試の「単(専)願」は、学力試験があり、私立1校のみ受験、中学校長の推薦はなし、と整理されています。

単願で内申の基準を設けるかどうかは、学校ごとに違います。募集要項に「単願」の欄があるかどうかを見てみてください。

併願優遇は、基準を満たすと優遇が受けられる

併願優遇は、公立高校などを第一志望にしながら、私立高校を押さえとして受ける時によく使われる方式です。協会の説明では、各私立高校が成績等の基準を設け、それを満たした生徒に加点するなどの優遇をする制度とされています。

ここで大事なのは、どう優遇するかは学校ごとに違う、という点です。併願優遇を行っていない学校もあります。

基準の見方は単願・併願優遇の内申基準で、4つのポイントに分けて紹介しています。

一般入試(フリー受験)は当日のテストが中心

優遇を使わずに一般入試を受けることを「フリー受験」と呼ぶこともあります。東京都の資料では、一般入試の選抜方法は学力検査・面接・調査書等とされています。

内申の基準に届かなくても受けられるのがフリー受験です。ただし、当日の試験で合格ラインを越える必要があります。

公立と併願する時に気をつけたい入学手続き

併願優遇やフリー受験で私立に合格したあと、公立の結果を待ちたい人もいますよね。東京都の私立高校の資料では、都立高校と併願する人の入学手続きのお金の扱いが、学校ごとにAからFの6つの区分で示されています。

例えばAは、入学手続きの締め切りが都立の合格発表日以降になっている区分です。Fは、一部を納めて返還されない区分とされています。

保護者の方へ

内申の基準だけでなく、手続きの締め切りとお金の扱いも学校ごとに違います。併願を考えている学校は、募集要項の手続きの欄もあわせて見ておくと安心です。

東京と神奈川の私立入試の区分を並べると

同じ「私立の入試」でも、地域によって呼び方や区分が少し違います。令和9年度入試の公式資料から、東京と神奈川を並べてみます。

区分東京都の私立(令和9年度)神奈川県の私立(令和9年度)
推薦第一志望・中学校長の推薦書・推薦基準学力試験は原則なし・中学校長の推薦あり・私立1校のみ
第一志望の一般入試一般入試の中で学校ごとに扱う単(専)願:学力試験あり・私立1校のみ
公立と併願する一般入試併願優遇(成績等の基準・入試相談)併願:学力試験あり・公立の共通選抜と併願できる
自由に受ける一般入試フリー受験と呼ばれることがあるオープンなど:私立・公立とも併願できる

神奈川の表は県の募集案内の表を読み取ったもので、県も「あくまで原則」として、各高校の募集要項で確かめるよう案内しています。東京と神奈川以外の地域は、それぞれの県の私学協会や志望校の資料で確かめてみてください。

私立の内申点が使われる「入試相談」とは?

先に結論

東京都の私立高校の推薦や併願優遇では、出願の前に中学校と高校が話し合う「入試相談」があります。ここで使われるのは内申などの記録で、模試の偏差値は使われません。

『入試相談って、自分が高校に行って面接するの?』と思うかもしれません。実は、入試相談は中学校の先生と私立高校の間で行われるものなんです。

協会の説明では、入試相談は推薦入試や併願優遇を希望する生徒について確かめる場です。その学校の基準に届いているか、どんな中学校生活を送ってきたかが見られます。私立高校から中学校の先生に「合格の可能性」が伝えられます。

入試相談で見られるもの、見られないもの

入試相談で使われる資料は、次のように説明されています。

見られるもの見られないもの
学習の記録(内申と観点別評価)業者テストなどの偏差値
実技の記録
特別活動の記録
出欠などの記録

模試の結果がよくても、入試相談では使われないということですね。だからこそ、私立の推薦や併願優遇を考えている人にとって、中3の通知表の成績が大事になってきます。

入試相談は「確約」ではありません

協会は、入試相談で伝えられるのは「合格の可能性」だけで、確約や内定ではないと説明しています。入試なので不合格になることもあります。合格したつもりで当日の準備をおろそかにしないようにしましょう。

入試相談までの流れ

東京都の私立高校で推薦や併願優遇を考える場合の、おおまかな流れです。

入試相談までの流れ(東京都の私立の例)
  1. 学校説明会などで募集要項を手に入れ、推薦基準や優遇の基準を確かめる
  2. 12月頃の三者面談までに志望校を決め、担任の先生に相談する
  3. 中学校の先生が、通常12月15日以降の数日間に私立高校と入試相談をする
  4. 中学校の先生から結果を聞き、出願する

なお、埼玉県のように、公立中学校の先生が入試相談を行わない県もあると協会は説明しています。神奈川県の公立中学生は東京と同じ扱いとされています。ほかの地域に住んでいる人は、担任の先生に流れを聞いてみてください。

私立高校の内申点、いつまでに何を確かめる?

先に結論

私立の推薦や併願優遇で使われるのは、多くの場合、中3の12月の入試相談までの成績です。逆算すると、中3の1学期から2学期にかけてが勝負の時期になります。

『いつの成績が見られるのか分からないと、どこで頑張ればいいか決められない』という声もよく聞きます。そこで、令和9年度の東京都の私立入試の日程をもとに、時期ごとにやることを並べてみました。

時期やること内申点との関係
中3の春〜1学期興味のある私立高校をいくつか挙げる1学期の成績が最初の目安になる
夏休み学校説明会に行き、募集要項の基準を確かめる自分の成績との差を知る
2学期定期テストと提出物に集中する入試相談で使われる成績に関わることが多い
12月頃三者面談で志望校を決める推薦か併願優遇かを担任と相談
12月15日以降中学校と高校の入試相談内申などの記録が使われる
1月15日以降推薦入試の出願(入試は1月22日以降)
1月25日以降一般入試の出願(入試は2月10日以降)併願優遇・フリー受験もここ

日程は令和9年度の東京都の資料に出ている「〜以降」の目安で、実際の日付は学校ごとに違います。どの学期までの成績を見るかも学校によるので、説明会で聞いてみましょう。

私立高校の推薦・併願優遇に向けて、中3の時期ごとに確かめることを並べた図解

学校説明会で聞いておきたいこと

説明会では、聞きたいことをメモしてから行くと短い時間でも確かめられます。例えばこんな聞き方です。

「推薦と併願優遇の基準は、何年生のどの学期の成績で見ますか?」

説明会で確かめるリスト
  • 推薦・単願・併願優遇それぞれの基準があるか
  • 基準は5教科か9教科か、合計か平均か
  • どの学年・どの学期の成績を見るか
  • 検定や欠席の扱いに決まりがあるか
  • 優遇はどんな形か(加点など)

その場で聞きにくい時は、担任の先生に「この学校の基準を確かめたい」と相談してみてください。

中1・中2の成績は私立で使われる?

私立の基準で「中3の2学期の成績」を見る学校もあれば、ほかの学年の成績を見る学校もあります。ここは本当に学校ごとなんです。

3年間の成績を見る学校もある

基準の書き方に「3年間」「中2・中3」などとある場合は、中1や中2の成績も関わります。募集要項の小さな注意書きまで目を通してみてください。

英検などの検定を基準や加点に使う学校もあります。英検の実施団体は、高校入試での活用の方法として「得点換算」「試験免除」「加点」「判定優遇」「合否参考」を挙げています。

検定の扱いは英検・漢検は内申に有利?でまとめています。

私立高校の内申点のよくある相談

先に結論

「私立は内申を見ない?」「内申が低いと私立に入れない?」「当日がよくても内申で落ちる?」という相談がよく見られます。どれも答えは、入試方式と学校によって変わります。

私立高校の内申点について寄せられる相談から、よくあるものを要約して紹介します。

私立高校は内申点を全く見ないの?

「私立は内申点が関係ないと聞いたけど、一応は見られるのでは?」という相談です。

ここまで見てきたとおり、推薦や併願優遇では内申が基準として使われます。一般入試でも、東京都の資料では調査書等が選抜方法の一つに入っています。

ただし、調査書をどのくらい重く見るかは学校ごとに違います。「全く見ない」と思い込まず、志望校の募集要項で確かめてみてください。

内申点が低くても私立高校には入れる?

「内申が低いので、私立なら入れる可能性が高いのでは?」という相談もよくあります。

内申の基準に届かない場合でも、フリー受験のように当日の試験で勝負する方法があります。一方で、推薦や併願優遇は使えないことが多いので、当日の試験で合格ラインを越える準備が大事になります。

内申が低い時の志望校の考え方は、内申点が低い時の高校選びで詳しく書いています。

当日のテストや面接がよくても、内申が悪いと不合格?

「当日点と面接がよくても、内申が悪かったら落ちるの?」という心配です。

これは、受け方によって答えが変わります。推薦や併願優遇は、内申の基準に届いていることが前提の方式です。フリー受験なら、当日の結果が中心になります。

数字のうわさは出どころを確かめる

「○○高校は内申いくつで受かる」といううわさは、年度も方式も分からないことがほとんどです。数字を聞いたら、その年度の募集要項か学校説明会で確かめるようにしましょう。

基準を調べる具体的な方法は、志望校の内申基準の調べ方で紹介しています。

内申と当日テスト、どちらに時間を使う?

先に結論

推薦や併願優遇を使いたいなら、まず中3の2学期までの評定を整えることが先です。フリー受験や一般入試が中心なら、当日の学力試験の準備に時間を寄せます。どちらの準備も、定期テストの勉強がそのまま土台になります。

『内申を上げる勉強と、入試の勉強は別もの?』と思っている人もいるかもしれません。でも実は、中3の定期テストの範囲は入試にも出る内容が多いんです。

例えば、友達とこんな会話になったことはありませんか。

「併願優遇の基準、あと1足りないんだよね」「じゃあ2学期の期末で上げるしかないね」

こういう時は、どの教科の評定があと少しで上がりそうかを先に見つけると、時間の使い方が決めやすくなります。

自分の状況時間を多めに使うところ
推薦や併願優遇の基準にあと少し届かない2学期の定期テストと提出物
基準にはもう届いている当日の試験と、推薦なら作文・面接
基準に届かず、フリー受験を考えている当日の学力試験の過去問と苦手単元

一人でやるか、人の手を借りるか

定期テストの勉強と入試の準備を一人で両立させるのは、思ったより大変ですよね。人の手が役立つのは、例えばこんな場面です。

  • 中1・中2の単元でつまずいた所まで戻って教えてもらう
  • 定期テストの範囲に合わせて、教科ごとの計画を一緒に立てる
  • 提出物の締め切りを一緒に管理してもらう
  • 分からない問題を、その日のうちに質問できる
  • 毎日決まった時間に机に向かう習慣をつくる

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よくある質問

私立高校の内申点は何年生の成績を見ますか?

学校によって違います。中3の2学期までの成績を見る学校もあれば、ほかの学年の成績を含める学校もあります。志望校の募集要項や学校説明会で、どの学年・どの学期の成績かを確かめてください。

私立の内申点は、公立と同じように実技教科が2倍になりますか?

実技教科を2倍にするのは、東京都の都立高校の一般入試など公立の決まりです。私立の基準は学校ごとに決められていて、5教科で見るのか9教科で見るのかも学校によります。

入試相談には生徒本人が行くのですか?

東京都の私立高校の入試相談は、中学校の先生と私立高校の間で行われます。本人は、12月頃の三者面談までに志望校を決めて、担任の先生に相談しておく形になります。

併願優遇で受ければ合格は決まりですか?

決まりではありません。入試相談で伝えられるのは合格の可能性で、確約や内定ではないと説明されています。当日のテストで合格ラインに届かなければ不合格になることもあります。

私立内申点に英検は加算されますか?

学校によります。英検を加点や判定の優遇などに使う学校もあれば、使わない学校もあります。募集要項で検定の扱いを確かめてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 私立高校の内申点は、入試方式によって使われ方が大きく変わる
  • 推薦や併願優遇では、各校が定めた成績の基準に届いていることが出願の前提になる
  • 東京都の私立の入試相談では、内申などの記録が使われ、偏差値は使われない
  • 入試相談は確約ではなく、当日の試験の準備も欠かせない
  • 基準や見る学期は学校ごと・年度ごとに違うので、募集要項と説明会で確かめる
内申ドットコム

内申ドットコム 編集部

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