公立高校の内申点|都道府県で違う計算と比率の調べ方

公立高校の内申点が都道府県ごとにどう違うかと、比率の調べ方を解説する記事のアイキャッチ

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『公立高校の内申点って、県によって全然違うって聞いたけど本当?』と気になっている人も多いですよね。

結論から言うと、公立高校の内申点は、都道府県の教育委員会がそれぞれ決めたしくみで数えられます。使う学年も、教科の倍率も、当日点との比率も地域によって違うんです。

この記事では、7つの地域のしくみを同じ物差しで比べて、自分の地域の要項で何を見ればいいかが分かります。

目次

公立高校の内申点は都道府県ごとに決まる

先に結論

公立高校の入試は、その高校を置いている教育委員会が行います。そのため、内申点の数え方や比率は、都道府県(や市)ごとに決まっています。

学校教育法施行規則では、公立高校の学力検査は、その高校を置いている教育委員会が行うと定められています。入試のしくみも、各教育委員会が毎年の要項で決めているんです。

内申点は、中学校が高校に送る調査書に書かれた評定を数えたものを指す通称です。公式には「調査書の評定」や「調査書点」と呼ばれます。

文部科学省の通知でも、調査書の利用にあたっては、学力検査の成績との比重や、学年ごとの重み付けを検討するように書かれています。つまり、比重や学年の扱いは、地域ごとに考えて決めるものなんです。

比べる時の3つの物差し

地域ごとの違いは、次の3つの物差しで見ると分かりやすくなります。

物差し見るところ違いが出る理由
使う学年何年生の評定を数えるか中3だけの地域、中2からの地域、中1からの地域がある
教科の倍率教科ごとに何倍するか実技教科を重くする地域や学校がある
比率学力検査と内申を何対何で合計するか県の原則がある地域と、学校ごとに選ぶ地域がある

『自分の県のことだけ分かればいい』と思うかもしれません。でも、ほかの地域と比べてみると、自分の地域のしくみの特徴がよく見えてくるんです。

7つの地域を「学年・倍率・比率」で比べる

先に結論

令和9年度入試の公式資料で比べると、中3だけを使う地域から中1から使う地域まで、比率も県の原則から学校選択まで、大きく違います。

ここが、この記事でいちばん見てほしい表です。全日制の一般的な入試(一般入試や共通選抜)のしくみを、令和9年度入試の公式資料をもとに並べました。

公立高校の内申点の使われ方を、使う学年・教科の倍率・比率で7つの地域ごとに比べた図解
地域使う学年と学年の倍率教科の倍率(調査書側)学力検査との比率の決め方
東京都中3のみ学力検査をしない教科を2倍(5教科受検なら実技4教科)原則7:3(学力検査:調査書)
神奈川県中2+中3×23教科まで2倍以内で重点化する場合がある(学校ごと)学校ごと。調査書:学力検査は2:8から8:2の範囲
埼玉県中1から中3。1:1:1、1:1:2、1:1:3から学校が選ぶ(共通選抜)今回の資料では規定が見当たらない学力検査500点に、調査書200点・300点・400点から学校が選ぶ
千葉県中1から中3まで同じ重み今回の資料では規定が見当たらない調査書の得点にかけるK(0.5以上2以下)などで学校ごと
静岡県中3のみ専門学科で2倍まで傾斜配点できる場合がある比率ではなく段階方式(共通枠)
愛知県中3のみ(一般選抜)今回の資料では規定が見当たらない方式ⅠからⅤを学校が選ぶ
大阪府中1×2+中2×2+中3×6(各教科50点)一般入学者選抜では教科による違いはないタイプⅠからⅤを学校が選ぶ(7:3から3:7)

制度は年度ごとに変わることがあります。この表は令和9年度入試のしくみなので、受験する年度の要項で確かめてみてください。

評定の満点も地域で違う

同じ「内申点」でも、満点の数字は地域によってまったく違います。

地域評定の満点(令和9年度入試)
東京都5教科受検で65点、3教科受検で75点(一般入試)
神奈川県135点を100点満点に換算
埼玉県135点・180点・225点を、200点・300点・400点に換算
千葉県9教科×5段階×3学年で計算すると135。そこにKをかける
静岡県9教科×5段階で計算すると45(中3のみ)
愛知県90点(9教科×5×2)
大阪府450点

千葉県の135と静岡県の45は、要項に「○点満点」と書かれているわけではなく、9教科×5段階×学年数から計算した数字です。

例えば、友達とこんな会話をしたことはありませんか。

「うちの県は内申100点満点なんだって」「えっ、こっちは450点だよ」

数字の大きさが違うのは、しくみが違うからです。地域の間で内申点の数字を比べても、あまり意味がないんです。

地域ごとのしくみをもう少しくわしく

先に結論

表だけでは分かりにくい、地域ごとの特徴的な言葉やしくみがあります。要項を読む前に知っておくと、読みやすくなります。

ここからは、地域ごとの特徴を短く紹介します。どれも令和9年度入試の公式資料にある内容です。

東京都

都立高校の一般入試では、中3の評定を使い、1学期と2学期の成績を十分参考にします。学力検査をする教科は1倍、しない教科は2倍で数えます。

要綱の例では、学力検査700点と調査書点300点に、英語スピーキングテストの20点を足して1020点になります。くわしくは都立高校の内申点で紹介しています。

神奈川県

中2の9教科の合計に、中3の9教科の合計を2倍したものを足します。135点満点を100点満点に換算した値を、学校ごとの係数で学力検査と合計します。

第2次選考では評定を使わず、学力検査と、中3の「主体的に学習に取り組む態度」の評価(C値と呼ばれます)を使います。くわしくは神奈川県公立高校の内申点で紹介しています。

埼玉県

令和9年度から新しい制度になり、共通選抜と特色選抜の2種類になりました。共通選抜では、中1から中3の評定に学年の比率をかけ、200点・300点・400点のどれかに換算します。

面接は志願者全員が受けます。調査書の記載項目は、9教科の評定と総合的な学習の時間の記録です。

くわしくは埼玉県公立高校の内申点で紹介しています。

千葉県

中1から中3までの9教科の評定の合計に、学校ごとのKをかけて調査書の得点にします。Kは原則1で、学校の特色に応じて0.5以上2以下の範囲で決めます。

調査書の記載事項について、学校ごとに50点を上限として加点できるのも特徴です。くわしくは千葉県公立高校の内申点で紹介しています。

静岡県

調査書の評定は中3の分だけで、2学期末(12月末)までの学習状況で書かれます。共通枠では、まず9教科の評定合計の上位で対象を絞り、学力検査の上位から合格者を決める段階方式です。

欠席等の状況や特別活動、行動の記録なども、共通枠の第2段階で面接とともに資料になります。

愛知県

一般選抜では、中3の評定合計を2倍した評定得点(90点満点)と、学力検査(110点満点)を使います。学校ごとに方式ⅠからⅤのどれかを選び、どちらかに1.5倍や2倍をかけて合計します。

令和9年度から、調査書情報の「行動の記録」「出欠の記録」が削除されました。くわしくは愛知県公立高校の内申点で紹介しています。

大阪府

各教科を「中3×6+中2×2+中1×2」の50点満点で数え、9教科で450点です。学力検査の450点と合わせて、学校が選んだタイプの倍率をかけて900点満点にします。

総合点の上位から募集人員の90%を合格とし、残りは自己申告書や調査書の「活動/行動の記録」も資料にして選びます。くわしくは大阪府公立高校の内申点で紹介しています。

比べると見えてくる3つの違い

先に結論

7つの地域を比べると、「学年の範囲」「教科の重み」「比率を決めるのは誰か」の3つで大きく分かれます。自分の地域がどの型かを知ると、何に力を入れるかを考えやすくなります。

表を見ていると、地域の違いにはいくつかのパターンがあることに気づきますよね。

学年の範囲の違い

中3だけを使う地域では、中3の評定の重みがとても大きくなります。中1から使う地域では、早い学年の評定も数えられますが、中3に倍率をかけて重くしている所もあります。

型地域(令和9年度入試)考え方の例
中3だけ東京都、静岡県、愛知県(一般選抜)中3の評定、特に2学期までの成績が大事
中2と中3神奈川県中2から意識し、中3は2倍なのでさらに大事
中1から中3埼玉県、千葉県、大阪府中1から数えられる。大阪府は中3が6倍

教科の重みの違い

東京都の一般入試では、実技4教科が2倍になります。5教科の評定1つより、実技の評定1つのほうが重いんです。

一方、大阪府の一般入学者選抜のように、9教科を同じ式で数える地域もあります。『実技は関係ない』と思い込まず、自分の地域の数え方を確かめておきましょう。

比率を決めるのは誰かの違い

東京都は、都として原則の比率(7:3)を決めています。神奈川県・埼玉県・大阪府・愛知県・千葉県では、県の枠の中で学校ごとに選びます。

学校ごとに選ぶ地域では、同じ県の中でも、志望校によって内申の重さが変わります。比率の考え方は内申点と当日点の比率でくわしく紹介しています。

評定以外の記載の扱いの違い

調査書には評定以外の欄もありますが、それが点数や選抜の資料になるかも地域で違います。

地域評定以外の記載の扱い(令和9年度入試)
東京都検定や委員会活動などは「諸活動の記録」に書かれるが、調査書点は教科の評定だけ
神奈川県特別活動等の記録や所見の欄はあるが、数値にする規定は選考方法の部分に見当たらない
埼玉県調査書の記載項目は評定と総合的な学習の時間の記録だけ
千葉県記載事項を学校ごとに50点を上限として加点できる
静岡県欠席等の状況や行動の記録などが、共通枠の第2段階で面接とともに資料になる
愛知県令和9年度から「行動の記録」「出欠の記録」を調査書情報から削除
大阪府合格ライン付近で、自己申告書や「活動/行動の記録」が資料になる

『部活や委員会は内申に入る?』という疑問への答えも、地域によって変わるということです。

推薦入試や特別な選抜では数え方が変わる

ここまでの表は一般的な入試のしくみです。推薦入試や特別な選抜では、数え方が変わることがあります。

例えば都立高校の推薦入試(令和9年度)で評定を使う場合は、9教科の評定をそのまま使い、満点は45点です。愛知県の推薦選抜では、推薦情報に中2の学習の記録が登録されます。

大阪府の面接を行う特別入学者選抜では、各教科を「中3×3+中2×1+中1×1」の25点満点で数えます。受ける入試の種類ごとに、数え方を確かめておきましょう。

内申の重みが大きくなりやすいしくみ
  • 調査書側の倍率が大きいタイプや方式
  • 中3の評定に大きな倍率をかける
  • 実技教科を2倍にする
当日点の重みが大きくなりやすいしくみ
  • 学力検査側の倍率が大きいタイプや方式
  • 調査書の得点を小さく換算する
  • 学力検査の点数だけでも計算する選抜

自分の地域の公立高校の内申点を調べる手順

先に結論

教育委員会のページで、受験する年度の「実施要項」「選抜要領」と、学校ごとの一覧を探します。読む場所は「調査書」と「選抜の方法」の2か所です。

『要項って、何十ページもあって読めない…』と感じる人も多いはずです。でも、内申点に関わる部分は、実はそれほど多くありません。

要項で調べる手順
  1. 都道府県の教育委員会のページで「入学者選抜」の、受験する年度の資料を開く
  2. 実施要項や選抜要領で「調査書」の部分を探し、使う学年と倍率を確かめる
  3. 「選抜の方法」の部分で、学力検査との比率や合計のしかたを確かめる
  4. 学校ごとの一覧(比率・方式・タイプ・Kなど)で、志望校の行を確かめる
  5. 面接や特色検査など、ほかに加わる点数を確かめる
調べた結果を書き込むメモ
  • 使う学年:何年生の評定を、それぞれ何倍するか
  • 教科の倍率:2倍になる教科はあるか
  • 満点:評定の満点と、換算後の満点
  • 比率:志望校の比率、方式、タイプ、Kなど
  • ほかの点数:面接、特色検査、記載事項の加点など

メモができたら、担任の先生に「この理解で合っていますか?」と見せてみるのもおすすめです。読み違いがあっても、早いうちに気づけます。

要項でよく出てくる言葉

地域ごとに、特有の言葉が出てきます。意味を知っておくと読みやすくなります。

言葉地域意味
調査書点東京都など評定を入試の点数に直したもの
S1、S2神奈川県第1次選考と第2次選考の数値
C値神奈川県中3の「主体的に学習に取り組む態度」の評価を点数にしたもの
K千葉県評定の合計にかける学校ごとの数値(0.5以上2以下・原則1)
タイプⅠからⅤ大阪府学力検査と調査書の評定にかける倍率の組み合わせ
方式ⅠからⅤ愛知県評定得点と学力検査の合計のしかた
共通選抜、特色選抜埼玉県県の方法で選ぶ選抜と、学校が方法を決める選抜
市立高校は別の要項のことも

静岡市立高校のように、市の教育委員会が別に要領を出している場合があります。千葉県の要項でも、市立高校は市の教育委員会が定めるところによる、とされています。市立高校を考えている人は、市の資料も確かめてみてください。

公立高校の内申点を自分の地域の要項で調べる手順を示した図解

公立高校の内申点でよくある相談

先に結論

「内申の比率がいちばん高い県はどこか」「内申が悪くても当日点で合格できるか」「内申が高くても当日点が重視されるか」の3つがよく見かける相談です。

ここでは、公立高校の内申点についてよく見かける相談をまとめて答えます。

内申の比率がいちばん高い都道府県はどこ?

内申の比率がいちばん高い県を知りたい、という相談はよく見かけます。ただ、比率の表し方は地域ごとにばらばらで、学校ごとに選ぶ地域も多いので、県単位で単純に並べるのは難しいんです。

例えば大阪府では、タイプⅤを選んだ学校は学力検査:調査書が3:7になります。一方、同じ大阪府でもタイプⅠの学校は7:3です。

県よりも、学校ごとの比率を見たほうが実際に近いと言えます。

内申が悪くても、当日点を取れば合格できる?

公立高校は、内申と当日点を合わせた合計で見られることが多いので、当日点で取り返す考え方はあります。ただ、取り返せる幅は比率によって変わります。

学力検査の割合が大きい学校ほど、当日点で取り返しやすくなります。内申が足りない時の考え方は、内申点が低い時の高校選びでまとめています。

内申が高いのに、当日点を重視されることはある?

内申が高くても、合計で見る以上、当日点が低ければ合計は伸びません。学力検査の割合が大きい学校ほど、その影響は大きくなります。

例えば、こんな声をよく聞きます。

「内申はよかったのに、当日の点が思ったより取れなかった」「比率を見ると、当日点の割合のほうが大きかったんだね」

内申が高い人こそ、志望校の比率を確かめて、当日点の準備も手を抜かないようにしておきましょう。

一人で準備するか、人の手を借りるか

地域のしくみが分かったら、次は評定と当日点の両方を準備する番です。一人で進めるのが難しい時は、人の手を借りるのも一つの方法です。

例えば、つまずいた単元にさかのぼる戻り学習や、学校の定期テストの範囲に合わせた計画づくりを一緒に進めてもらえます。提出物の管理や、分からない所をすぐ質問できる相手がいることも、勉強の習慣づくりの助けになります。

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高校受験の内申点の全体の流れは、高校受験の内申点でまとめています。

よくある質問

公立高校の内申点は全国で同じ計算ですか?

同じではありません。使う学年、教科の倍率、学力検査との比率が都道府県ごとに違い、学校ごとに選ぶ地域もあります。

公立高校の内申点で中1の成績は使われますか?

地域によります。令和9年度入試では、埼玉県・千葉県・大阪府は中1から使い、東京都・静岡県・愛知県(一般選抜)は中3だけ、神奈川県は中2と中3を使います。

公立高校内申点の比率はどこで分かりますか?

都道府県の教育委員会が出している、受験する年度の実施要項や、学校ごとの一覧で分かります。分からない時は担任の先生に聞いてみてください。

公立高校と私立高校で内申点の使われ方は違いますか?

違います。公立高校は要項で決まった式で合計点に組み込まれることが多く、私立高校の推薦や併願優遇では、学校ごとの基準を満たすかどうかを見る材料になることが多いです。

実技教科の評定は公立高校の入試で重いですか?

地域によります。東京都の一般入試では、学力検査をしない教科を2倍で数えるので、5教科受検なら実技4教科が2倍になります。

まとめ

この記事の要点
  • 公立高校の内申点は、都道府県(や市)の教育委員会が決めたしくみで数えられる
  • 「使う学年」「教科の倍率」「比率」の3つで比べると、地域の違いが分かる
  • 比率は県の原則がある地域と、学校ごとに選ぶ地域がある
  • 受験する年度の要項の「調査書」と「選抜の方法」、学校ごとの一覧で確かめる
内申ドットコム

内申ドットコム 編集部

内申点のしくみや計算方法、都道府県ごとの高校入試での使われ方、内申点を上げるための考え方を、公式の公開情報をもとに整理している情報サイトです。 公式サイト

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